57号 2015/7/16(木)

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 樹木や壁などの他物に付着してつるを伸ばすノウゼンカズラがたくさんの橙色あるいは赤色の大きな花をつけ、ひと際、眼をひきます。漢名の凌霄花は「霄(そら)を凌ぐ花」からきていると言います。3〜10mにもなるそうです。

 この花は別名、脳天蔓ともいい、上手く手入れしないと上の方にだけ花をつけることから、その様に呼ばれています。そういえば、苦節、何十年、やっと出世したと思っていたら、部下も家族もみんな離れて一人、孤立していたというような方のニュースが増えてきたような気がします。

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nanobiz News
◆技術開発動向
カーボンナノチューブ集積化マイクロキャパシターを開発
〜アルミ電解コンデンサーと同等の性能で体積を1/1000に〜

<概要>
 産業技術総合研究所ナノチューブ実用化研究センターCNT用途チーム小橋和文 主任研究員、ラスチェスカ カロリーナ アーズラ 産総研特別研究員が、アルミ電解コンデンサーと同等な性能(作動電圧4V、静電容量30μF、充放電速度(緩和時定数)数 ms)を持ちながらも体積が1/1000となる超小型のカーボンナノチューブ(CNT)集積化マイクロキャパシターを開発しました。キャパシター電極材料として有望な、スーパーグロース法で作製した高純度で比表面積の大きい単層CNTを用いて、リソグラフィーによるCNT膜電極微細加工技術と電極隔離技術を開発し、超小型で集積化されたキャパシターを開発したものです。
<今後の展開>
 今回開発したCNT集積化マイクロキャパシターは、アルミ電解コンデンサーの代替、電子機器の軽薄小型化、超小型電子機器の電源への応用が期待される。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20150707/pr20150707.html


細胞の機能を制御するナノロボットを開発
〜外部刺激による生物の行動機能制御技術を目指して〜

<概要>
 産業技術総合研究所ナノ材料研究部門 都英次郎 主任研究員らは、バイオメディカル研究部門 戸井基道 研究グループ長、大阪府立大学大学院工学研究科 河野 健司 教授らと協力して、光によって発熱できるカーボンナノチューブ(CNT)と特定の温度で内包分子を放出する温度感受性リポソームを組み合わせて、線虫体内の細胞機能を制御できる分子複合体(ナノロボット)を開発しました。
<今後の展開>
 研究グループは、今後は、この技術を応用して生体組織のごく限られた領域だけに存在する細胞機能を個々に調べることで、がんや免疫疾患などの分子・細胞レベルでの病態解明につながる研究用ツールを開発したいとしています。一方で、生体内におけるナノ物質の健康面への影響は不明瞭な点もあるため、CNTを用いて作製する様々な物質の細胞毒性評価や生体適合性評価を進めて、生体内で安心・安全に利用できる材料やシステムの開発を目指しています。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20150708/pr20150708.html


樹脂−金属接合特性評価試験方法の国際規格ISO19095シリーズが発行
〜新規接合技術の評価方法を迅速に国際標準化〜

<概要>
 産業技術総合研究所ナノ材料研究部門電子顕微鏡グループ 堀内伸 上級主任研究員と、日本プラスチック工業連盟は、異種材料複合体の特性評価試験方法を国際標準化機構(ISO)に提案し、提案準備から3年という短期間で国際規格ISO19095シリーズとして発行されることとなりました。金属の特性(高剛性で熱伝導性は高いが重い)と樹脂(軽く形状の自由度が高い)の特性を補完し合う異種材料複合体は、自動車などの軽量化を促進する技術として期待が高まっており、日本が世界に先駆けて国際標準化を進めたことにより、日本の省エネルギー技術の国際競争力強化や、優れたものづくり技術の差別化が進むと期待されています。
<今後の展開>
 今回発行されるISO規格により、樹脂と金属を強固に接合する革新的技術の接合強度や耐久性などを定量的かつ客観的に評価することが可能となります。
 産総研は、今回発行される規格の有効性を実証するため、異なる樹脂−金属の組合せや異なる接合方法による接合特性データを集積すると同時に、接合メカニズムの解明を行う予定とのことで、さらに、産総研と日本プラスチック工業連盟は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)と金属の接合特性に関する新たな規格の提案を検討しています。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20150706/pr20150706.html


有機トランジスタアレイの性能分布をイメージ化して評価する技術
〜プリンテッドエレクトロニクスの実用化を加速〜

<概要>
 産業技術総合研究所フレキシブルエレクトロニクス研究センターフレキシブル材料基盤チーム 堤潤也 研究員、同研究センター 長谷川達生 総括研究主幹らは、有機トランジスタの性能分布を光学イメージとして一括して評価できる新たなデバイス評価技術を開発しました。この技術により、電子ペーパーやディスプレイなどの、膨大な数のトランジスタの配置が必須である情報端末機器の製造工程で、各素子の検査に要する時間を大幅に短縮できるとのことです。
<今後の展開>
 今回開発したゲート変調イメージング法の特徴は、アクティブバックプレーンなどの多数のトランジスタの性能分布を一括して検査できることにあるとのことで、今後は、ゲート変調イメージング技術の高速・高感度化、検査範囲の大面積化を進め、生産ラインへの実装に向けた実用化研究に取り組むとのことです。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20150702/pr20150702.html


混ざり合わないポリマーを完全に混ぜる手法を開発
〜プラスチックの持つ機能を飛躍的に向上〜

<概要>
 京都大学 大学院工学研究科植村 卓史准教授、同大学 物質−細胞統合システム拠点 北川 進拠点長・教授らの研究グループは、多孔性物質を鋳型とすることで、絶対に混ざり合わないと言われていたポリマーを分子レベルで完全に混ぜ合わせる手法を開発しました。無数のナノ空間を有する多孔性金属錯体(PCP)の細孔内で異なる種類のポリマーを順次合成し、得られた複合体からPCPのみを除去することで、数ナノメートル以下のレベルで混合されたポリマーブレンドを取り出すことに成功しました。
<今後の展開>
 自動車、電子機器、情報、土木、医療、食品、スポーツなどの多くの産業の発展とともにポリマーブレンドの需要が高まってきています。現在のポリマーブレンドの世界市場規模は約5兆円程度と推定され、毎年4.5%程度の伸びで益々拡大していくものと予測されています。本研究で開発したPCPによる鋳型法を利用すれば、あらゆる種類のポリマーを分子レベルで完全に混合できる可能性があることから、プラスチック材料の品質を大幅に高める目的や、これまでにない機能性材料を産み出す新技術として幅広い分野での利用が期待されます。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150701/index.html


布地にプリントできる世界最高導電率の伸縮性導体を開発
〜プリントするだけで、スポーツウェアが筋電センサーに早変わり〜

<概要>
 東京大学大学院工学系研究科の染谷隆夫教授らのグループが、新たに開発した導電性インクを用いてプリントできる伸縮性導体を開発し、テキスタイル型(布状)の筋電センサーを作製することに成功したと発表しました。
<今後の展開>
 本研究成果は、布地にインクをプリントするだけで簡単に細かい配線や電極パターンが形成できるので、研究グループは、スポーツ、ヘルスケア、医療など様々な分野への応用が期待できるとしています。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150625/index.html
http://www.t.u-tokyo.ac.jp/epage/release/2015/20150625005.html


CMOSプロセスで作製したナノ光共振器の世界最高性能を達成
〜光回路実用化に向け基本構成素子の大量生産に道筋〜

<概要>
 慶應義塾大学理工学部電子工学科 田邉孝純准教授らの研究グループが、CMOS互換プロセスを用いて世界最高性能をもつナノ光共振器を作製することに成功したと発表しました。シリコン薄膜にナノスケールの穴を周期的に空けた構造のフォトニック結晶を用い、格子の寸法を変える幅変化型の構造設計と、深紫外フォトリソグラフィにより実現しています。
<今後の展開>
 今後、他のSiフォトニクス素子や電子デバイスと集積した光回路設計・評価を検討するとのことです。

http://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2015/osa3qr000000xumj.html


■燃料電池触媒の
ナノXAFS/TEM2次元同視野イメージングに成功

<概要>
 
電気通信大学の燃料電池イノベーション研究センター長 岩澤康裕特任教授らが、大型放射光施設SPring-8に電通大/NEDOが建設した世界最高性能の「先端触媒構造反応リアルタイム計測ビームライン(BL36XU)」内に、新たに開発整備した2次元走査型顕微XAFS(ナノXAFS:X-ray Absorption Fine Structure)システムと、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用い、独自に設計したメンブレン測定セルを使って、固体高分子形燃料電池の触媒劣化の化学状態と物理状態の2次元同視野イメージングに初めて成功したと発表しました。
<今後の展開>
 研究グループは、XAFS-STEM/EDXによる同視野イメージング法の活用により、今後、燃料電池車の本格普及のための次世代電池設計の支援に役立ち、開発が加速されるものと期待しています。
http://www.uec.ac.jp/about/publicity/media_release/pdf/20150611.pdf
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2015/150611/


◆イベント・セミナー等の紹介
■■「イノベーション・ジャパン2015」■


国内最大規模の産学マッチングイベント「イノベーション・ジャパン2015」が8月27日・28日の2日間下記日程で開催されます。
 本イベントは、産業界の皆様と中小・ベンチャー企業及び大学・公的研究機関との有機的な結節点となり、オープンイノベーションの触媒となることをめざし企画されたものです。
 27日には、経済産業省及びNEDOの施策紹介及び「オープンイノベーション協議会」とのコラボレーションによる、オープンイノベーションの推進をテーマとしたセミナーも開催されます。
 是非、オープンイノベーションの場「イノベーション・ジャパン2015」にご来場ください。

開催要領
(1)日時:2015年8月27日(木)9:30〜17:30
      8月28日(金)10:00〜17:00
(2)場所:東京ビッグサイト西1ホール
(3)主催:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
      国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)
  共催:経済産業省、文部科学省
http://www.ij2015.com/info/index.html



 nanobiz Magazine
 

◆【連載!神田のカルチェラタン】

 「成長戦略2015」


 今年度の成長戦略が6月末に閣議決定され、首相官邸のHPに公開されています。
 http://www.kantei.go.jp/jp/headline/seicho_senryaku2013.html

 3月頃でしょうか、ピケティの資本論の概略をこのコラムで紹介したら、思いのほか評判がよく、これからもビジネスマンとして読んでおいた方が良い本などがあれば紹介してほしいというズボラな方が少なからずおられました。
 そこで、今回、興味を持ってもらえるか心配ですが「成長戦略2015」を取り上げてみました。念のため申し上げますが、今回は総論は眼を通しています。
 ところで、予てより疑問に思っているのですが、成長戦略は毎年、改訂する必要があるのでしょうか。
 一国の「成長戦略」であれば、数年に一度で良いような気がしています。
(編集長 馬田芳直)

 nano2biz Magazine57号 カルチェラタン  〜「成長戦略2015」〜 
 

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