49号 2015/3/24(火

メルマガ nano2biz 第49号をお届けします。

 最近では、芸能人のゴシップを除けば、いわゆるスクープ記事をほとんど目にしなくなりました。どの新聞を読んでも、テレビを見ても同じニュースが並んでいます。
 そうやって何度も繰り返し、情報インプットされると次第に洗脳されて、その通りなのだと思うようになってしまいます。

 例えば、今年の春闘ではほとんどの労働者がベアを獲得できるような錯覚に陥ってしまいます。

 産学官連携は難しい状況が続いていますが、政・財・報の情報連携は進んでいるようです。


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nanobiz News
◆技術開発動向
光電極を用いた酸化剤と水素の効率的な製造方法を開発
〜太陽光による高付加価値品製造の実現に近づく〜

<概要>
 
 産業技術総合研究所エネルギー技術研究部門佐山 和弘 首席研究員、太陽光エネルギー変換グループ研究グループ福 康二郎 研究員らは、多孔質の酸化タングステンなどを積層した半導体光電極を用いて、太陽光エネルギーで水を分解し、水素製造と同時にさまざまな高付加価値の化学薬品を効率良く製造する技術を開発したと発表しました。
 化学薬品としては過硫酸や次亜塩素酸塩、過酸化水素、過ヨウ素酸塩、四価セリウム塩などの酸化剤を製造できるとのことです。
<今後の展開>
 太陽光エネルギーを利用することで水の電気分解の電解電圧を著しく低減しながら、水素エネルギーと多様な有用化学薬品を同時に製造できる技術ですので、将来の経済性の高い新規プロセスの実用化が期待できます。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20150306/pr20150306.html


赤外線レーザー照射に層状物質の構造制御の可能性
〜格子振動が層間引力を生み出す仕組みをシミュレーションにより解明〜

<概要>
 産業技術総合研究所ナノシステム研究部門ナノ炭素材料シミュレーショングループ 宮本 良之 研究グループ長、非平衡材料シミュレーショングループ 宮崎 剛英 研究グループ長は、中国 四川大学 Hong Zhang教授、ドイツ マックスプランク 物質構造・ダイナミクス研究所 Angel Rubio教授と協力して、層状物質である六方窒化ホウ素の層間距離を赤外線レーザー照射により縮められることを第一原理計算によるシミュレーションで理論的に示しました。
<今後の展開>
 今後は実験的研究によりこの理論を裏付けるとともに、これら原子層材料の層間に取り込まれた化学物質の新規反応が赤外線レーザーによる層間距離の圧縮で誘起される可能性を研究し、従来では得られない新材料の開発を目指し、また、本研究において、従来は主に熱的な効果のみが注目されていた赤外領域のレーザーの応用範囲を、格子振動の誘起に伴う新たな化学反応の開発へと広げていくとのことです。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20150318/pr20150318.html


ウェアラブルデバイスの耐久性を劇的に向上させる高伸縮性導電配線を開発
〜伸縮自在で体にフィットする圧力センサーシートへの応用を実現〜

<概要>
 産業技術総合研究所フレキシブルエレクトロニクス研究センター印刷エレクトロニクスデバイスチーム 吉田 学 研究チーム長らは、伸縮性の高いデバイスを実現するため、導電性繊維をバネ状に形成した高伸縮性バネ状導電配線を開発したと発表しました。
<今後の展開>
 今後は、産業化に対応するため効率的な生産プロセスを開発していくと共に、今回開発したマトリクス状センサーシートを用いた日常的な体調管理システムや高齢者介護のための見守りセンサーシステムなどのトータル設計を推進していく予定とのことです。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20150225/pr20150225.html


単純構造化による安定したペロブスカイト太陽電池構築に成功
〜実用化に向けて着実に進歩〜

<概要>
 物質・材料研究機構ナノ材料科学環境拠点、ペロブスカイト太陽電池特別推進チームは安価で高効率な次世代太陽電池として期待されるペロブスカイト太陽電池について、再現性や安定性が良く、理想的な半導体特性を示すペロブスカイト太陽電池の構築に成功しました。

<今後の展開>
 今後、不純物準位の由来とその太陽電池への影響を明らかにしていきます。また、不純物準位を取り除き、太陽電池の高効率化を行い、エネルギー環境問題に貢献していくとしています。
http://www.nims.go.jp/news/press/03/201503180.html


ドラッグデリバリーシステムの可能性を大きく広げる、生体にやさしいメソポーラス粒子

<概要>
 
物質・材料研究機構MANAの研究グループは、生体成分であるリン脂質のみから構成されるドラッグデリバリーシステムに好適な多孔性粒子(メソポーラス粒子)の開発に成功したと発表しました。
<今後の展開>
 本材料は凍結乾燥のみで簡単に調製できるため、工業化に適しており、あらゆる投与経路を想定した医薬品用担体、および化粧品原料等としての利用が期待され、粒子の個性的な形状は、商品の付加価値にもなるとのことです。
http://www.nims.go.jp/news/press/03/201503100.html


黒リンは光通信の性能を高める魔法の材料
Black phosphorus is new 'wonder material' for improving optical communication〜

<概要>
 米国ミネソタ大学電気・コンピュータ工学科のMo Li教授、Steven J. Koester教授らが、20原子層に過ぎない超薄層の黒リンを用いてナノスケール光回路の高速データ通信に成功したと発表しました。
<今後の展開>
 黒リンを用いた光回路の性能はグラフェンを超え、さらに高性能化する可能性は高い.FETも作れるし、黒リンは直接遷移半導体なので高効率で電気を光に変換する可能性を持つから、一つの材料で発光と受光を行う高速オンチップ光伝送のワンストップソリューションになると研究グループは期待しています。
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-03/uom-bpi030215.php
http://www.osa-opn.org/home/newsroom/2015/march/black_phosphorous_could_shine_in_silicon_photonics/
http://spectrum.ieee.org/nanoclast/semiconductors/optoelectronics/black-phosphorous-demonstrates-potential-in-highsppeed-data-communication


次世代材料で触媒の長寿命化に成功
〜耐久性の高いグラフェン担持白金触媒の開発〜

<概要>
 岡山大学異分野融合先端研究コアの仁科勇太 准教授らの研究グループが、独立行政法人 日本原子力研究開発機構、北海道大学触媒化学センターと共同で、酸化グラフェンに白金微粒子を固定化し、同時にシリカコーティングする合成法を開発し、従来よりも優れた触媒活性と耐久性を持つ触媒の作成に成功したと発表しました。
<今後の展開>
 研究グループでは、本研究成果の高活性触媒を用いることで貴金属の使用量を低減し、レアメタル問題の解決に大いに貢献できると期待しています。
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id270.html


「温めると縮む」新材料を発見
〜既存材料の2倍の収縮、少量でエポキシ樹脂の熱膨張を相殺〜

<概要>
 
東京工業大学応用セラミックス研究所の東 正樹教授らが、中央大学の岡 研吾助教、
JASRIの水牧仁一朗副主幹研究員および京都大学の林 直顕研究員らと共同で、室温付近で既存材料の2倍以上の大きさの「負の熱膨張」を示す酸化物材料「BiNi1-xFexO3:ビスマス・ニッケル・鉄酸化物」を発見し、エポキシ材料などに混合する熱膨張抑制材として用いる量を、半分に減らすことができると発表しました。
<今後の展開>
 東教授らは、この材料の精密光学部品や精密機械部品など様々な分野への利用を期待しています。
http://www.titech.ac.jp/news/2015/029988.html
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2014/150223_1.html


原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡を開発し世界最高の分解能43ピコメートルを達成

<概要>
 
株式会社日立製作所は、加速電圧1.2メガボルトの原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡を開発し、世界最高の分解能(点分解能)となる43ピコメートルを達成したと発表しました。
<今後の展開>
 今後も、社外の研究機関とも連携して材料の機能を原子レベルで解明し、持続可能な社会を支える新材料の開発に貢献したいとしています。
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2015/02/0218.html


亀裂を自己修復する金属配線
〜金属ナノ粒子の電界トラップを用いて実現へ〜

<概要>
 
早稲田大学理工学院基幹理工学部機械科学・航空学科 岩瀬英治 准教授の研究チームが、金属ナノ粒子の電界トラップを用いることで、配線上にクラックが生じた場合でも電圧の印加により、クラックを自己修復する金属配線を実現したと発表しました。
<今後の展開>
 この成果は、フレキシブルデバイスに用いられる湾曲した金属配線に自己修復機能を持たせるのみならず、通常の電子機器で発生するクラックの修復においても有用であり、本技術の適用範囲は非常に広いと見込まれています。今後は、修復性能の向上とともに、構造上の問題となる可能性がある金属ナノ粒子分散液の封止に代えて、金属ナノ粒子をゲル中に分散させて自己修復機能の実現を目指すとのことです。
http://www.waseda.jp/top/news/22187


超硬物質ダイヤモンドと窒化ホウ素の接合界面の原子構造を特定

<概要>
 
東北大学原子分子材料科学高等研究機構の幾原雄一教授、王 中長准教授、陳春林助教らのグループが、NIMSの谷口尚グループリーダーおよび一般財団法人 ファインセラミックスセンターと共同で、最先端の超高分解能走査透過型電子顕微鏡と第一原理計算手法を駆使し、最も硬い物質として知られるダイヤモンドとダイヤモンドの次に硬い立方晶窒化ホウ素同士の接合界面の原子構造、結合メカニズムを、原子レベルで決定することに成功したと発表しました。
<今後の展開>
 本研究では超高硬度物質であるc-BN/ダイヤモンドのエピタキシャル成長に成功し、境界面の原子レベル構造特定を行って物理特性を明らかにしました。今後、本研究で得られた知見が、デバイス材料の特性向上や格子欠陥構造を活用した新規デバイスの設計、新機能材料の研究開発に繋がることを期待するとのことです。
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2015/02/press20150217-01.html
http://www.nims.go.jp/news/press/02/201502170.html


◆イベント・セミナー等の紹介

■■
2015年ナノ・マイクロビジネス展■■

ナノ・マイクロビジネス展はマイクロマシン/MEMS分野において世界最大規模の展示会です。

開催要領
日時: 2015年4月22日(水)〜24日(金)
場所:パシフィコ横浜
主催:一般財団法人マイクロマシンセンター

出展分野
(1)センサー&モニタリング、ウエアラブル、M2M
(2)マイクロマシン&微細加工
(3)検査・評価装置
(4)新製造技術・プラットフォーム
(5)オープン・イノベーション

開催準備状況は随時ブログ「MEMSの波」等でご確認ください。


■■平成27年度 物質・材料研究機構(NIMS)一般公開 ■■
〜社会を変える研究現場、一挙公開!「超(スーパー)」のつく材料あります。〜

NIMS一般公開は、NIMSの研究室・施設を広く公開し、研究者自身による研究のデモンストレーションや、材料に関係した体験型イベントを楽しむことができる年に1度の貴重なイベントです。
すべて入場&体験無料です。

開催要領
場所:独立行政法人物質・材料研究機構   千現・並木・桜 各地区

●「一般公開」2015年4月15日(水)
対象は企業・一般の方々
http://www.nims.go.jp/publicity/events/open-house/h27.html

●「青少年特別行事」2015年4月19日(日)
家族そろってNIMSならではの実験や特別なものづくり体験が楽しめます。
http://www.nims.go.jp/publicity/events/open-house/h27.html

●企業様限定プログラム:2015年4月15日(水)
実際の施設や装置等を見て頂きながらNIMSの最新の研究成果をご紹介するこの機会を利用して、企業を対象に、NIMSとの連携(技術移転)についてご紹介します。
※企業様限定プログラムのご案内
http://www.nims.go.jp/publicity/events/open-house/h27.html#business



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◆【連載!神田のカルチェラタン】

これまで、この欄を無記名で書いてきましたが、
これからは記名にして文章責任を明確にし、もっと自由な主張を行いたいと考えるようになりました。



グラフ化すると見えてくることもある〜

 OPECの原油の値下げ、中国人旅行者の「爆買い」、120円/ドルでも改善しない貿易収支等々、分からないことが多くなっています。池上彰さんに分かり易く、解説していただきたいものですが、それも面倒なので、自分なりにグラフを作るなどして考えてみました。

   nano2biz Magazine49号 カルチェラタン  〜グラフ化すると見えてくることもある〜 
 

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