19 2013/12/20(金)


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今年の正月休みは9連休の企業も多く、景気の回復感もあって国内外の旅行に出かける方も多いようです。政治、経済面でも、アベノミクスの動向、米国の金融の量的緩和(QE3)の時期、中国の防空識別圏、北朝鮮の政治体制、東京都知事の進退等の話題が豊富で、年末年始はこれまでになく賑やかになりそうです。

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nanobiz News

◆技術開発動向
■ 信頼性を大幅に向上させた低抵抗ソース・ドレイン形成技術

〜高温イオン注入技術により極薄フィン部分を低抵抗化〜
 産業技術総合研究所(産総研)ナノエレクトロニクス研究部門は、日新イオン機器(株)と共同で、14nm世代以降のフィンFETに適用できる、低抵抗ソース・ドレイン形成技術を開発しました。
 14nm世代以降のフィンFETでは、極薄(10nm以下)のシリコンフィン部分に低抵抗のソース・ドレインを形成することが最大の課題となっていました。通常、低抵抗化は不純物イオン注入により行いますが、フィン部分では、注入時に結晶欠陥が生成して抵抗が大きくなってしまいます。この結晶欠陥の解消が困難であるため、結果として低抵抗化が困難となっています。今回開発した高温イオン注入技術は、結晶欠陥を発生させずに極薄のフィン部分に不純物イオンを注入し、低抵抗化できます。また、フィンFETの信頼性も大幅に向上しました。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2013/pr20131209/pr20131209.html

■ ナノメートル・スケールトランジスタ動作中温度の正確な測定に成功

〜次世代半導体集積回路の長期間安定動作へ道〜
 慶應義塾大学の内田建教授らは、産総研ナノエレクトロニクス研究部門と共同で、産総研つくばイノベーションアリーナ推進本部のスーパークリーンルーム運営室の支援を受け、先端トランジスタの作製・評価技術を駆使し、さまざまな構造の微細トランジスタにおける動作中温度の正確な測定に成功しました。ナノメートル・スケールの素子では動作中の温度上昇が無視できないことを見いだし、温度を下げるための素子設計指針を開発しました。
 この研究成果によって、次世代のPCやスマートフォンなどに用いられる半導体集積回路の高信頼性化が期待されます。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2013/pr20131209_2/pr20131209_2.html

■ 世界初!室温プロセスでフィルム型色素増感太陽電池の試作に成功

〜有機フィルム上で、変換効率8.0%。ロール・ツー・ロール生産に目途〜
−「いつでもどこでも太陽電池」の実現へ−
 積水化学工業(株)は、産総研先進製造プロセス研究部門と共同で、エアロゾルデポジション法(セラミック材料の常温高速コーティングプロセス方法)を活用し、従来の高温焼成を不要とし、世界で初めて室温プロセスでのフィルム型色素増感太陽電池の試作に成功しました。
 光電変換層とフィルムの高い密着性と良好な電子輸送性能を実現することで、有機フィルム上の色素増感太陽電池としては世界最高水準の8.0%の変換効率を得ました。
 熱エネルギーの代わりに高速衝突エネルギーによる微粒子結着メカニズムを利用することで、従来の高温焼成セラミック形成プロセスが不要となり、室温でのフィルム化に成功しました。耐熱性の低い汎用フィルムや粘着テープのような材料にも成膜が可能で、さまざまなフィルム基板を用いた色素増感太陽電池が製造可能となり幅広い用途が期待されています。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2013/pr20131206/pr20131206.html

■ 福井大学「食塩を加え、高分子の形状制御−DDS,ナノワイヤに応用」

 福井大学の杉原伸治准教授らは、高分子化合物を作る重合反応の際に食塩を加え、高分子の計上を制御する手法を開発した。薬を体内の患部に届けるDDSやナノメートルサイズのワイヤへの応用が期待されています。JST「さきがけ」の成果です。
出典:2013年12月17日付け「日経新聞 朝刊」


■ 人工のクモ糸素材「QMONOS(R)」の量産技術を確立へ

 NEDO技術開発推進部、 NEDOイノベーション実用化ベンチャー支援事業の取組です。
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100237.html?from=nedomaill

 多結晶ゲルマニウムでp、n両極性のトランジスタ動作に成功

〜低温積層CMOSによる3次元LSIの実現に大きく前進〜
 産総研ナノエレクトロニクス研究部門では、大規模集積回路(LSI)の3次元積層技術に向けた多結晶ゲルマニウム(Ge)トランジスタのp型動作とn型動作の両方を実現し、多結晶Ge-CMOSが実現可能であることを示しました。
 多結晶Geは、多結晶シリコン(Si)に比べ、より低温(500℃以下)で形成することができます。そのため、集積回路上に熱的ダメージを与えずにCMOS回路を直接積層することが可能であり、3次元LSIの要素技術として有望であり、Ge中の電子と正孔の移動度はSiよりも高いために、高性能化や低電圧動作が期待されます。
 高性能多結晶Ge-CMOSを積層した3次元LSIの実現と、それによるLSIの大幅な小型化と高機能化、低消費電力化が期待されています。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2013/pr20131212_2/pr20131212_2.html

 カーボンナノチューブのインプラントによる新たな配線作製技術

〜LSI配線やシリコン貫通電極への応用に期待〜
 産総研ナノエレクトロニクス研究部門では、1次元ナノカーボン材料であるカーボンナノチューブ(CNT)を利用した新たな配線作製技術を開発しました。
 低温での直接合成法により作製したCNTプラグより約1桁低い抵抗のCNTプラグを実現できており、低消費電力化のためのLSIの微細配線への応用や、3次元実装のためのシリコン貫通電極(Through Silicon Via; TSV)への応用が期待されます。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2013/pr20131212/pr20131212.html

 20nm幅の高性能なグラフェン微細配線を開発

〜LSI銅微細配線の代替に期待〜
  産総研ナノエレクトロニクス研究部門では、二次元ナノカーボン材料である多層グラフェンを利用した20nm幅の微細配線を作製し、低抵抗、高信頼性を実証しました。
 「化学気相合成(CVD)法により形成した多層グラフェンの層間に塩化鉄を入れるプロセス(インターカレーション)の最適化によりマイクロメートル幅のグラフェン配線として4.1μΩcmという低い抵抗率を達成しました。さらに配線を電子線リソグラフィーにより幅20 nmに細線化しました。この微細配線の抵抗値は、細線化前の数マイクロメートル幅の配線とほとんど変わらず、また、真空中250℃で107A/cm2の電流を100時間以上流しても断線せず、銅よりも高い信頼性を持つことが分かりました」とのことで、低消費電力化のためのLSI微細配線への応用が期待されています。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2013/pr20131211/pr20131211.html

 InGaAsトランジスタの性能向上のための新構造を開発

〜集積回路の大幅な低消費電力化に期待〜
 産総研ナノエレクトロニクス研究部門は、東京工業大学、住友化学(株)と共同で、新構造の採用により性能を従来から2倍向上させたインジウムガリウムヒ素(InGaAs)トランジスタを開発しました。
 これにより、トランジスタの動作電圧を下げられるので、従来の四角形断面構造に比べ、集積回路の消費電力が最大で6割程度低減することが期待されます。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2013/pr20131210/pr20131210.html

 薬物の標的たんぱく質を選択的に光らせる方法を開発

 科学技術振興機構(JST)課題達成型基礎研究の一環として、理化学研究所は、生きた細胞の中で薬物の標的たんぱく質を選択的に光らせて探し出すラベル化法を開発しました。
 今回開発したラベル化法では、標的たんぱく質との相互作用を損なわないため、いまだ作用メカニズムが分からない薬物の標的たんぱく質の発見に貢献できます。また、生きた細胞内でたんぱく質の動きの追跡などが可能となり、医薬品開発の推進やたんぱく質の機能解明に有力な手段となることが期待されます。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20131216/index.html

 酸化グラフェンのバンドギャップをその場で自在に制御

 物質・材料研究機構(NIMS)国際ナノアーキテクトニクス研究拠点の研究グループは、究極的に薄い酸化グラフェンを利用した高性能ナノスケール素子の実現の鍵となる、バンドギャップの制御をその場で自在に行うことに成功しました。
 この制御技術は、グラフェンを用いた不揮発性スイッチング素子などの高性能ナノエレクトロニクス素子の実現へ近づくだけでなく、ダイヤモンド、カーボンナノチューブやフラーレンなどの新規炭素系材料における物性探索や制御の有力な手段として期待されます。
http://www.nims.go.jp/news/press/2013/12/p201312161.html

 強固な3次元張り子構造をもったグラフェン構造体の創製に世界で初めて成功

〜吹き飴技法から着想を得た「ケミカル風船法」の開発〜
 NIMS国際ナノアーキテクトニクス研究拠点の研究グループは、超極薄のグラフェンを、張り子のように3次元的な骨格に貼り付けた構造体を創製することに世界で始めて成功した。本合成法は、吹き飴技法から着想を得た「ケミカル風船法」とも言うべき独特な方法です。
 「この研究で合成された3次元張り子構造を持つグラフェン構造体を電極として用いたキャパシタは高い出力密度を示すことから、高性能なキャパシタ材料としてポータブル電子機器や電気自動車の急速充電・放電や航空機の電磁発射装置等への応用が期待される。また、今回開発した「ケミカル風船法」はグラフェン以外の超薄膜の新規な創製法としても広く利用することができる」とことです。
http://www.nims.go.jp/news/press/2013/12/p201312160.html


◆イベント・セミナー等の紹介

nano tech 2014 「nano tech国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」

 
最先端のモノづくりに欠かすことのできない基盤技術「ナノテクノロジー」に関する世界最大の展示会です。
 
nanotech 2012よりテーマを「“Life & Green Nanotechnology” 10-9 Innovation」として掲げ、世界をリードする技術を発信する場として、社会的に貢献する展示会の実現を目指しており、第13回目を迎える2014年は、InterAqua、ASTEC、SURTECH、新機能性材料展、Printable Electronicsとの同時開催を通じて、あらゆるMarket Placeをカバーし、ここから最先端技術と製品のビジネスマッチングを創出いたします。
□開催概要
日時:
2014年1月29日(水) 〜1月31日(金)10:00-17:00
会場:東京ビッグサイト東
4・5・6ホール&会議棟
展示規模:
600社
入場料:3,000
円(但し、Webサイトで事前登録された方は入場無料)
http://www.nanotechexpo.jp/main/index.html


第12回ナノテクノロジー総合シンポジウム(JAPAN NANO 2014)

「より高度な安全・安心な社会構築へ向けてのナノテクの貢献―防災、医療、食品の安全―」
 より安全・安心な社会を構築に向けてのナノテクノロジーによる取り組みの状況と今後の方向を知っていただく良い機会になると期待されます。
内容:基調講演 東京大学教授 橋本和仁先生
     「安全・安心な社会構築に向けた科学者の役割」
     国内外の第一線の研究者から、「最新の研究開発の進歩について紹介」
     自然災害への対策、高齢化に伴う疾患医療、食品の安全について
     ナノテクノロジー研究基盤
     「ナノテクノロジープラットフォーム(先端機器の共用)」等による利用成果のトピックス紹介
開催概要
(1)開催日時:2013年1月31日(金)10:00〜17:20
(2)場  所:東京ビッグサイト 会議棟1階レセプションホール
(3)主  催:独立行政法人物質・材料研究機構
(4)参 加 費:無 料
(5)参加申込方法:下記URLよりお申込ください。
 http://www.evt-reg.jp/Usr/form/Usr_entry.php?form_id=27
(6)概要、プログラム等:
 https://nanonet.go.jp/japannano/2014/



「中小企業支援のための産学官連携フォーラム

〜産学官コーディネーターの連携強化で中小企業を元気に!〜
  経済産業省が、平成26年1月10日(金)、産業支援機関や大学、自治体、金融機関等関係者の方を対象に、産学官コーディネーターによる中小企業支援をテーマ とするフォーラムを開催します。
内容
産学官連携による中小企業支援の成功事例を紹介し、そのノウハウや仕組みを共有することで、各地域における支援活動のさらなる促進を図ります。
1.「中小企業活性化に果たす産学官コーディネーターの役割」
  さいたま市産業創造財団 産学コーディネーター 千葉広喜氏
2.「中小企業に向けた大学等知財の効果的な伝え方」
3. ゲスト講師講演「全国が注目する産学官連携成功の秘訣」
  東北大学大学院工学研究科 教授 堀切川一男氏
開催概要
日 時:平成26年1月10日(金)15:00〜17:30
場 所:主婦会館プラザエフ9階スズラン(東京都千代田区六番町15)
対 象:産学官コーディネーターなど
定 員:約100名
お申し込み:下記の事務局サイトからご登録ください
http://www.mctr.co.jp/topinfo/index.html


 「NEDO再生可能エネルギー技術白書」

 
原発の停止から注目を集める再生可能エネルギー関連の技術白書です。2010年の第一版が、その後の状況変化等を踏まえ更新されました。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のWEBページからダウンロードできます。

http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100238.html



 NEDOの研究開発成果の事業化促進事業(サンプルマッチング) 

 
NEDOから本年イノベーショジャパンに出展された成果の紹介です。
ナノテク関連以外も多く掲載があります。いろんな角度から、技術を考える参考になればと思い、ご参考までに紹介させていただきます。

http://www.nedo.go.jp/library/matching/list.html?from=nedomail



 NEDO「イノベーション実用化ベンチャー支援事業」に係る実用化開発テーマ公募

 
NEDOは、「研究開発型新事業創出支援プラットフォーム」の一環として、「イノベーション実用化ベンチャー支援事業」に係る実用化開発テーマを下記のとおり広く公募する予定です。
予告詳細に関しては以下のURLをご参照下さい。
http://www.nedo.go.jp/koubo/CA1_100047.html


 nanobiz Magazine
 

◆【連載!神田のカルチェラタン】

  第4回つくばイノベーションアリーナ(TIA-nano)公開シンポジウム

12月16日に東京で開催された標題シンポジウムに参加してきました。
講演会とポスターセッションの構成でしたが、TIA-nanoの研究開発成果の紹介とともに、5年目を迎えているTIA-nanoの新たな発展の方向が示された興味深いシンポジウムでした。新たな発展の方向とは標題の「『つくば』から未来の産業」創造への貢献です。
そのプログラムの中から、岸TIA-nano運営最高会議議長の「TIAと将来のつくば~つくばへの期待~」とTIA-nano中核4機関長と議長によるパネルディスカッションの内容を概略紹介させていただきます。

岸TIA-nano運営最高会議議長の「TIAと将来のつくば~つくばへの期待~」

TIA-nano中核4機関長と議長によるパネルディスカッション
 「『つくば』から未来の産業を起すために」

 RIETIシンポジウム 「アベノミクスの3本の矢はどこまで飛んでいるか」

12月5日の経済産業研究所の標題シンポジウムに参加してきました。
 要約すると、「今までは、国際経済環境に恵まれた。来年は消費増税もある。海外も不安定化する。よほどしっかりした第三の矢(成長戦略)で国民の信頼を得ることと着実な実行が大事だ」ということでした。

http://www.nbci.jp/nano2biz/read_pdf/uma/uma20131220-3.pdf


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