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ナノカーボンFAQ

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ナノカーボンFAQ

作成 2017.2.8

カーボンナノチューブとは

■回答

カーボンナノチューブ(CNT)1)2)3)は1991年に日本電気株式会社の飯島澄男・特別主席研究員(現在は名城大学終身教授などを兼任)が発見し、その構造も明確にしました。

CNTはグラファイトの1枚面(グラフェンあるいはグラフェンシートと呼ぶ)を巻いて筒型にした形状を持っており、その直径はおおよそ数nm〜数百nmの範囲の値で、長さは数百μmに及びます。CNTは極細の炭素繊維とみなせる点もあり、一部の電子的性質は、グラファイトに似たところもあります。長さと直径の比(アスペクト比という)が1000程度に及ぶので、両端の影響を事実上無視できて典型的な一次元物質として考えられます。

CNTは製法によって、単層CNT(single-walled CNT;SWCNT)、二層CNT(double-walled CNT:DWCNT)、多層CNT(multi−walled CNT;MWCNT)が存在します。SWCNTは細く、数nm程度の直径をもつものが優勢ですが、DWCNT、MWCNTではCNTの層間距離が3.4Å(0.34nm)4)で二層から数十層が同心円状となり、直径は数百nmにまで及ぶ太いものまであります。

カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等のナノカーボンは、ナノテクノロジーを代表する素材であり、2000年1月21日、当時のクリントン米大統領が2001年の予算教書演説の中で、ナノテクノロジーを国家の戦略的研究分野と位置付け、米国の国家ナノテクノロジー戦略 NNI(National Nanotechnology Initiative)が開始されて以来 日本、米国、欧州、アジアにおいて国家主導によるナノテクノロジーの研究開発が精力的に推進されています。

なお、CNTには、現時点では適切なCAS番号は存在しません。詳細は本FAQ内の「がん原性指針とは?がん原性指針の対象となるCNTとは何ですか?」をご覧ください。

単層CNT図及び多層CNT図を以下に示します。



            【単層CNT】




            【多層CNT】

名古屋大学 齋藤弥八教授(http://www.surf.nuqe.nagoya-u.ac.jp)よりご提供いただきました。


■出典等

1)化学同人 「カーボンナノチューブ」ナノデバイスへの挑戦(2001)田中一義編
2)カーボンナノチューブの基礎(1998) コロナ社
3)カーボンナノチューブの基礎と応用(2004) 培風館
4)S.Iijima,Nature,354,56(1991)