67号 2015/12/22(火)

メルマガ nano2biz 第67号をお届けします。

 正月を挟んで、小粒の赤い実をつけ、縁起が良いと言われる木があります。
実の多い順に万両・千両・百両・十両・一両と名前が付けられています。

 私事ですが、既に万両、千両は持っていますが、百両、十両、一両がありません。
相場格言では、来年の申年は『騒ぐ』となっており、相場が荒れるようです。そこで、その対策として一両(別名、蟻通し)は、何としても入手しておきたいと考えています。

『万両、千両、アリドオシ』!
南天(難を転じる)も持っていますので、これで対策は万全です。



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発行元:NBCI

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nanobiz News
◆技術開発動向
構造材料の変形挙動に新たな視点
〜強さとねばさを兼備した材料開発へ〜

<概要>
 
京都大学構造材料元素戦略研究拠点(Elements Strategy Initiative for Structural Materials: ESISM)が、銅−アルミニウム(Cu-Al))合金の結晶粒径を再結晶状態で600nm(0.6μm)まで超微細化し、高い強度(通常粒径材に比較して5.6倍の降伏応力)と延性(引張伸び40%)を両立させることに成功したと発表しました。
<今後の展開>
 本研究の結果は、粒界から積層欠陥や変形双晶が新たに核生成する、バルクナノメタル特有の現象と考えられ、「強さ」と「ねばさ」を兼備した材料の開発に新たな視点を提唱するものであり、今後、「強さ」と「ねばさ」を両立させた夢の構造材料実現に向けた基礎学理の構築を推し進めるとのことです。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2015/151119_2.html



プリンタブルなフレキシブル体温計の開発に成功
〜薄くて、軽く、生体組織に直接貼り付け可能〜

<概要>
 東京大学大学院工学系研究科の横田知之特任助教、染谷隆教授らの研究チームが、薄くてしなやかなプラスチック製の温度計を印刷プロセスによって作製し、生体組織に貼り付けて表面温度の分布を測定することに成功したと発表しました。
<今後の展開>
 今回開発された温度計を絆創膏にプリントすれば、皮膚に直接貼り付けて簡単に体温を計測できるようになります。今後本素子は、赤ちゃんや病院の患者の体温を常時モニターすることで、体調の異変をいち早く察知するなどヘルスケア、医療、福祉など多方面への応用展開が期待されています。

http://www.t.u-tokyo.ac.jp/tpage/release/2015/20151110001.html
http://phys.org/news/2015-11-printable-flexible-lightweight-temperature-sensor.html


天然高分子のキトサンを素材とした柔軟で透明な断熱材を開発
〜微細繊維の均質な絡み合い構造により折り曲げ可能な柔軟性を実現〜

<概要>
 産業技術総合研究所(産総研)化学プロセス部門階層的構造材料プロセスグループの竹下 覚 研究員と依田 智 研究グループ長が、天然高分子のキトサンを素材として柔軟で透明な高性能断熱材を開発したと発表しました。
<今後の展開>
 開発されたキトサンエアロゲルは製造プロセスがシンプルで、優れた断熱性能と透明性、柔軟性をあわせ持つことから、既存の住宅の窓にも容易に後付けできる断熱シートや、曲面への対応や薄さ、軽量性が要求される自動車や飛行機の窓ガラスの断熱層など、幅広い用途で透明断熱材としての展開が期待できるとのことです。
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20151109/pr20151109.html


半導体チップの偽造を防ぐ素子や回路を開発
〜「ICの指紋」を3倍以上の安定性で発生から〜

<概要>
 産業技術総合研究所ナノエレクトロニクス研究部門ナノCMOS集積グループ 大内 真一 主任研究員、柳 永 上級主任研究員、松川 貴 研究グループ長、エレクトロインフォマティクスグループ 堀 洋平 主任研究員は、半導体ICチップの偽造を防ぐ「ICの指紋」を低コスト、高信頼性、コンパクトに実現できる素子とそれを用いた回路技術を開発しました。
 ここでいう「ICの指紋」技術とは、人間の指紋が個人の識別に使えるように、ICチップ作製時に自然に発生するばらつきを利用し、複製できない素子・回路によって、チップに固有の番号を発生させる技術のことです。
<今後の展開>
 今後は、製造工程の後工程で認証用回路のトランジスタを挿入し、デバイスレベル三次元構造への適用を検討していくとのことです。これにより、トランジスタ製造を外注した際に生ずる、固有番号の第三者への漏洩の危険性を低減できるほか、コストの最適化が期待されています。また、今後盛んになるであろうIoTの端末への適用技術を開発していくとのことです。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20151207/pr20151207.html


変換効率11 %の熱電変換モジュールを開発
〜ナノサイズの構造を制御した熱電変換材料で達成、未利用熱発電の実現に前進〜

<概要>
 産業技術総合研究所省エネルギー研究部門熱電変換グループ 太田 道広 主任研究員、山本 淳 研究グループ長、HU Xiaokai 元産総研特別研究員、独立行政法人 日本学術振興会 外国人客員研究員JOOD Priyankaは、鉛テルライド(PbTe)熱電変換材料の焼結体にマグネシウム・テルライド(MgTe)のナノ構造を形成することで高い熱電性能指数ZT = 1.8を実現し、さらにこの材料を用いて変換効率11 %を有する熱電変換モジュールの開発に成功しました。
<今後の展開>
 ナノ構造を形成した熱電変換材料と電極材料との間の電気的・熱的接合の改善に取り組み、更なる出力電力と変換効率の向上を実現するとのことです。さらに、開発した熱電変換モジュールの長期耐久性と機械的特性の向上に関する研究開発と、産業界での実証実験を実施して、5年以内に実用化を目指すとのことです。同時に、毒性元素の鉛(Pb)を毒性の少ない銅(Cu)などへ、希少元素のテルル(Te)を地殻存在量の豊富な硫黄(S)などへと元素代替を進め、本成果をもとに研究開発を進め、未利用熱エネルギーの革新的な電力活用への道を開いて、持続可能な社会に貢献するとしています。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20151126/pr20151126.html


高い吸着力と選択性を持つレアメタル吸着剤を開発
〜スポーク状のナノ細孔作成で実現。都市鉱山開発の促進に道〜

<概要>
 物質・材料研究機構元素戦略材料センター資源循環設計グループのSherif El-Safty(主席研究員は、電子基板やリチウムイオン電池の溶解処理溶液に極微量だけ含まれるパラジウム、コバルトなどのレアメタルや、金、銀などの貴金属を、目的の金属だけ高感度に検出し、取り出す技術を開発しました。
<今後の展開>
 今回開発された技術により取り出されたレアメタルは高純度で、電子材料用原料のリサイクルを可能にし、都市鉱山開発を促進することができます。
http://www.nims.go.jp/news/press/2015/12/201512070.html


計測・分析装置の性能を飛躍的に高める高輝度・細束な電子源を開発
〜現行の電子源に比べ輝度が100倍に! 次世代電子顕微鏡開発に道〜

<概要>
 物質・材料研究機構 極限計測ユニットのZhang Han 主任研究員および先端材料プロセスユニット 一次元ナノ材料グループの唐 捷グループリーダーは、電子顕微鏡などの電子源として期待されているランタンホウ化物(LaB6)単結晶ナノワイヤの表面を原子レベルでクリーニングする技術を開発し、電子源の高性能化と安定性の向上に成功しました。
<今後の展開>
 今回開発したLaB6ナノワイヤ電子源は、従来の電子銃のタングステン電子源を交換するだけで簡単に実装することが可能です。今後、民間企業との共同研究によって、LaB6ナノワイヤ電子源の実用化・製品化を進めていく予定です。

http://www.nims.go.jp/news/press/2015/12/201512010.html


コアシェルナノワイヤ構造を利用した高速トランジスタチャネルを開発
〜より高速で高集積が可能な立体構造トランジスタの実現に向け大きく前進〜

<概要>
 物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点の深田直樹グループリーダーを中心とする研究グループとジョージア工科大のグループは、高速トランジスタチャネル材料として利用可能な、中心(コア)がゲルマニウム、外側(シェル)がシリコンという二重層のコアシェルナノワイヤを開発しました。
<今後の展開>
 今回開発したコアシェル構造は、シリコンとゲルマニウムという単純な材料のみを利用しているため、低価格での製作が可能です。今後は、コアシェル構造を利用したデバイスを実際に作製し、デバイス特性の性能評価から将来の高移動度デバイスとしての可能性を実証する予定です。

http://www.nims.go.jp/news/press/2015/11/201511160.html


◆イベント・セミナー等の紹介
■■nano tech 2016  第15回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議

世界最大級の研究開発マーケットの展示会、nano tech 2016 第15 回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議が開催されます。27 ヵ国・地域より1,300 企業・団体が出展し、環境・エネルギー・素材、医療・健康、情報、通信からエレクトロニクスまでの最新技術を発信します。

NBCIは「nano tech 2016」を後援し、同時に開催される「3D Printing 2016」を共催しています。

開催要領
nano tach 2016(NBCI後援)、3D Printing 2016(NBCI共催)
日時:2016年1月27日(水)〜29日(金)開催
会場:東京ビッグサイト
NBCI展示:ブース5R-18、6P-13
NBCI講演:1/28 13:00~14:45メインシアター
展示会への参加:事前登録していただけましたら、無料となります。
http://www.nanotechexpo.jp/main/


■■
ナノテクノロジー国際標準化ワークショップ

〜ナノテクノロジーの国際標準化における日本の戦略〜
欧州の規制を意識した規格提案やグラフェンやセルロースナノファイバーなど新しい材料に対する規格提案など取り扱う作業項目が増え、ますます活発になっています。
今回のワークショップでは、ナノテクノロジー国際標準化の最新の動向を織り交ぜながら、日本の標準化戦略や取り組みが紹介されます。

開催概要
日時:2016年1月29日 金曜日 13時10分 〜 16時10分
会場:東京ビッグサイト 会議棟1階 102会議室
  ※本ワークショップは、nano tech 2016に併催
主催:産業技術総合研究所 ナノテクノロジー標準化国内審議委員会
参加:無料、定員100名(※参加費無料、先着順、定員になり次第締切り)
   申込締切りは、2016年1月26日( 火)
問い合わせ:ナノテクノロジー国際標準化ワークショップ事務局
     (産業技術総合研究所 知的財産・標準化推進部国際標準化室)
https://unit.aist.go.jp/ipsta/ja/event/nanowork2016/nanows2016.html


■■第12回 ナノ材料科学環境拠点シンポジウム

〜次世代蓄電池の開発に向けた材料-計算-計測の融合研究〜
ナノ材料科学環境拠点は、2009年10月設置以来、オールジャパン体制のもと、中長期的な産業・社会ニーズを取り込み、基礎に立ち返って環境・エネルギー問題の解決に資する新しいシーズの提供を目指して、太陽光から出発するエネルギーフローに関わる太陽電池、光触媒、二次電池、燃料電池を出口課題とし、表面・界面の理論解析と先端的計測技術を融合させることで新材料の創出を目指して研究活動を行ってまいりました。

第12回となるGREENシンポジウムは、“次世代蓄電池の開発に向けた材料-計算-計測の融合研究”をテーマに開催します。材料・計算・計測の融合に研究による新材料開発の加速が注目されるなか、本シンポジウムでは、次世代蓄電池開発に向けた融合研究の新潮流に関する特別講演をいただくとともに、材料・計算・計測の研究者で構成されているGREEN全固体電池およびリチウム空気電池特別推進チームにおける融合研究が紹介されます。

開催概要
日時:2016.1.14(木) 10:30 - 16:45 (懇親会 17:00-18:30)
会場:一橋講堂(学術総合センター2階)
参加:無 料、参加登録必要
   但し:懇親会は会費3、000円
   申込締切: 2016年1月7日(木)
http://www.nims.go.jp/research/green/events/hdfqf1000006z707.html



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◆【連載!神田のカルチェラタン】

フローとストック 〜来たる年が良い年でありますように〜


 今年も、このコラムには、思いつくまま、気の向くままに様々なことを書かせていただきました。読者の方々には、お付き合いいただき、大変ありがとうございました。
 取りとめのない話ばかりでしたが、今回は今年の最後ですので、最近の世界情勢から明るい未来を迎える方策について考えてみました。

 (編集長 馬田芳直)


nano2biz Magazine67号 カルチェラタン
フローとストック 〜来たる年が良い年でありますように〜

 

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代表) FAX:03-5280-5710

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