66号 2015/12/4(金)

メルマガ nano2biz 第66号をお届けします。

 早や、12月です。クリスマス飾り、年賀状、大掃除、正月飾り等々、何かと物入りで忙しい季節です。

 そんな折、GPIFは7-9月期に初めて5.6%の運用損失を出したとのこと、国民感情からすれば上がって当たり前ですから、何とかショックで大幅値下がりした時など、どうなることやらと今から余計なお世話で心配しています。



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nanobiz News
◆技術開発動向
イデア 「LiC=リチウムイオン内包フラーレン」 発電・蓄電向け提案強化

<概要>
 
ナノカーボン材料の研究開発を手掛けるイデア・インターナショナルは、リチウムイオン内包フラーレン(LiCフラーレン)の提案活動に拍車をかけ、強い電子捕獲能力や有機溶媒中での高いイオン伝導性などを生かし、色素増感太陽電池(DSC)や次世代型蓄電池、センサー向けの新材料として訴求を強めるとのことです。
 とくにDSCでは、より多くの波長をとらえることができるため、理論的には20%以上となる変換効率の実現も見込めるとのことです。
<今後の展開>
 大学などの研究機関と基礎研究を継続すると同時に、今後は企業との協業体制構築を視野に入れ、LiCフラーレンを活用した新たな発電・蓄電デバイスの開発につなげたいとのことです。
出典:化学工業日報2015.11.25



変換効率11%の熱電変換モジュールを開発
〜ナノサイズの構造を制御した熱電変換材料で達成、未利用熱発電の実現に前進〜

<概要>
 産業技術総合研究所省エネルギー研究部門熱電変換グループ 太田道広 主任研究員、山本淳 研究グループ長、HU Xiaokai元産総研特別研究員らは、鉛テルライド(PbTe)熱電変換材料の焼結体にマグネシウム・テルライド(MgTe)のナノ構造を形成することで高い熱電性能指数ZT=1.8を実現し、さらにこの材料を用いて変換効率11%を有する熱電変換モジュールの開発に成功しました。
<今後の展開>
 この高効率熱電変換モジュールを用いることで、未利用熱エネルギーを電力へと変換して活用する道が開けると期待されています。
 ナノ構造を形成した熱電変換材料と電極材料との間の電気的・熱的接合の改善に取り組み、更なる出力電力と変換効率の向上を実現し、さらに、開発した熱電変換モジュールの長期耐久性と機械的特性の向上に関する研究開発と、産業界での実証実験を実施して、5年以内に実用化を目指すとのことです。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20151126/pr20151126.html


コアシェルナノワイヤ構造を利用した高速トランジスタチャネルを開発
〜より高速で高集積が可能な立体構造トランジスタの実現に向け大きく前進〜

<概要>
 物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点の深田直樹グループリーダーを中心とする研究グループとジョージア工科大のグループは、高速トランジスタチャネル材料として利用可能な、中心(コア)がゲルマニウム、外側(シェル)がシリコンという二重層のコアシェルナノワイヤを開発しました。さらに、不純物がドーピングされたシリコン層とキャリアが輸送されるゲルマニウム層が混ざり合っておらず、ゲルマニウム層でキャリアが発生していることを実証しました。
 <今後の展開>
 今回開発したコアシェル構造は、シリコンとゲルマニウムという単純な材料のみを利用しているため、低価格での製作が可能です。今後は、コアシェル構造を利用したデバイスを実際に作製し、デバイス特性の性能評価から将来の高移動度デバイスとしての可能性を実証する予定とのことです。
http://www.nims.go.jp/news/press/2015/11/201511160.html


電気的に制御したグラフェンでバレー流の生成、検出に初めて成功
〜結晶中の電子のバレー自由度を利用した低消費電力エレクトロニクスの実現へ〜

<概要>
 東京大学 大学院工学系研究科の島崎 佑也 大学院生、山本 倫久講師、樽茶 清悟教授らの研究グループは、電気的に制御することのできる二層グラフェンにおいて、バレー流の生成、検出に初めて成功しました。研究グループは電流をバレー流に変換し、電流の漏れ出しを無視できる程度の距離を伝送させた後、バレー流を電流に変換して、これに伴う電圧を検出しました。
<今後の展開>
 二層グラフェンを用いれば従来の単層グラフェンからなるデバイスとは異なり、電流からバレー流への変換効率の大きさを電気的により広範囲に制御できることから、電流とバレー流の変換が原理的には室温でも可能となります。またバレー流を生成する際に流れる電流によるエネルギー消費についても、変換効率の向上により大幅に改善可能と考えられることから、二層グラフェンを用いることでバレー流を用いた低消費電力エレクトロニクスの実現が期待されています。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20151117/index.html


4枚のウェハが取れる大口径・高品質太陽電池用シリコンインゴット単結晶の作製に成功
〜太陽電池結晶の低コスト化・高効率化に道を拓く〜

<概要>
 シリコン太陽電池は、より一層の高品質化と低コスト化が望まれています。
文部科学省 革新的エネルギー研究開発拠点形成事業(JST受託事業)において、JSTの中嶋 一雄研究チームリーダーらは1枚の断面スライスから4枚のウェハを作製できるほど大口径のシリコン単結晶を作製しました。
高効率太陽電池の作製コストの3割程度の削減が期待できる。
<今後の展開>
 今後、結晶のさらなる高品質化を目指し、結晶欠陥の一種である転位をゼロにする技術が確立すれば、最高レベルの変換効率を持つシリコン太陽電池に適用できるウェハの作製コストについて3割程度の削減が期待できます。
http://www.jst.go.jp/pr/info/info1147/index.html


液体金属流から電気エネルギーを取り出せることを解明
〜電子の自転運動(スピン)を利用した新しい“スピン流体発電”へ〜

<概要>
 JST戦略的創造研究推進事業(ERATO)齊藤スピン量子整流プロジェクトの東北大学大学院理学研究科の高橋遼(大学院生、兼日本原子力研究開発機構先端基礎研究センター実習生)、日本原子力研究開発機構先端基礎研究センターの松尾衛副主任研究員、東北大学原子分子材料科学高等研究機構/金属材料研究所の齊藤英治教授らが、液体金属中の電子の自転運動を利用した新しい発電法を発見したと発表しました。
<今後の展開>
 本研究は、従来になかった液体金属中でのスピン流生成、電力発生の可能性を示したもので、固体ならぬ流体スピントロニクスの端緒となるものとのことです。発電装置としてはタービン等の外部装置が不要のため小型化可能で、微小電圧で動作するナノロボット向け電源装置への応用が期待されています。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20151103-2/index.html
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2015/11/press20151030-01.html


新しいシリコンナノ物質の化学特性の評価に成功
〜触媒や電子デバイスへの応用に期待〜

<概要>
 慶応義塾大学 理工学部の中嶋 敦教授らの研究グループが、同グループの開発した16個のシリコン原子が中心の金属原子を球状に取り囲む「金属内包シリコンナノクラスター」の化学特性評価に成功し、この新しいナノ材料が化学的安定性の高い物質であり、触媒や電子デバイスへの応用が期待されると発表しました。
<今後の展開>
 本成果により、従来の蒸着法に加えて高い熱安定性を活かした昇華精製法や、酸化による変化を受けることなく溶媒に溶解するなどの手法で、Ta@Si16ナノクラスターを基本単位とする新たな機能材料や機能デバイスの実現が期待されています。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20151102/index.html
http://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2015/osa3qr0000016sci.html


角度依存性がなく、温度に応じて構造色が変化する高分子ゲルを開発

<概要>
 名古屋大学大学院工学系研究科の関隆広教授、竹岡敬和准教授らの研究チームが、角度依存性のない青い構造色を示す鳥の羽を参考にして、温度などの刺激によって様々な色に変わる高分子ゲルを開発したと発表しました。
<今後の展開>
 今後、本研究で開発されたソフトマテリアルは、温度やpHなどの環境変化に応じて構造色が変化し、かつ角度依存性がないという特徴を活かして、各種のセンサーや表示デバイスへの応用が期待できるとしています。

http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20151026_engg.pdf


◆イベント・セミナー等の紹介
■■第12回ナノ材料科学環境拠点・GREENシンポジウム

〜次世代蓄電池の開発に向けた材料‐計算‐計測の融合研究〜
材料・計算・計測の融合研究による新材料開発の加速が注目されるなか、本シンポジウムでは、次世代蓄電池開発に向けた融合研究の新潮流に関する特別講演とともに、材料・計算・計測の研究者で構成されているGREEN全固体電池およびリチウム空気電池特別推進チームにおける融合研究を紹介されます。

開催概要
日時:2016年1月14日(木)10:30-16:45
会場:一橋講堂(学術総合センター2階)アクセス情報
参加:無料
事前登録参加登録:https://business.form-mailer.jp/fms/083739e247617
申込締切:2016年1月7日(木)
懇親会:1月14日(木)17:00-18:30、(参加費:3, 000円)
主 催:物質・材料研究機構 ナノ材料科学環境拠点
http://www.nims.go.jp/GREEN/event/2016/20151007.html



■■
平成27年度実践セミナー 『薄膜実践セミナー』

産業技術総合研究所ナノプロセシング施設(NPF)が文部科学省委託事業「ナノテクノロジープラットフォーム」の一環として、平成27年度実践セミナー『薄膜実践セミナー』を開催します。
当セミナーは、講演と実習プログラムからなります。
*講演のみ、実習のみの参加申込も可能です。

講演
講演ではスパッタリング法、原子層堆積法(ALD)について膜質と成膜条件の関係、プロセス開発と応用事例、膜質の評価技術などを紹介します。新しい薄膜材料の検討を始めたい方から、薄膜のデバイス応用に興味のある方まで、幅広い分野からのご参加をお待ちしています。
▽講演
日時:平成27年12月14日(月)12:55-17:40
場所:産業技術総合研究所つくば中央2-12棟第6会議室
参加費:無料
定員:100名(先着順)


▼実習
実習にはNPFの装置を使用してSrTiO3強誘電体薄膜形成・熱処理と、結晶性・電気特性評価などを盛り込み、機能性薄膜開発の基礎的なスキルを獲得していただけるように期待しています。産学官いずれのご所属の方にもご参加をお申込みいただけます。広くご参加をお待ちしています。
▽実習
日時:平成27年12月〜平成28年2月の間の3日間
場所:産業技術総合研究所つくば中央2-12棟ナノプロセシング施設(NPF)
参加費:50,000円/人
定員:3名(同時に実施します)
https://nanoworld.jp/npf/training/h27-4/index.html


■■バイオ・MEMS実践セミナー(12月11日)

文部科学省委託事業「ナノテクノロジープラットフォーム」の一環として、“バイオ・MEMS実践セミナー”が開催されます。
 前半でバイオとMEMS技術の融合による最先端の研究事例の紹介を行い、後半では微細加工プラットフォーム共用施設事業の機関とその活用法方法についての紹介を行われます。 講義終了後には、希望者は微細加工施設利用相談会、および東京大学・生産技術研究所ラボツアーに参加できます。
 また、このセミナーへの参加をより充実した機会とするために、実習コース(無料コース.有料コース)を後日、希望者に提供されます。産学官、様々な研究開発分野より、多くの参加が待たれています。
※実習コースのみの参加はできません。

開催概要
日時:12月11日(金曜日) 13:30〜17:00
場所:東京大学・生産技術研究所・E棟501/502室
https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/access/access.html
主催:微細加工プラットフォーム
連絡先:微細加工プラットフォーム・コーディネーター
TEL:075-753-5656
Email:nanofab-coordinators(at)t.kyoto-u.ac.jp
http://nsn.kyoto-u.ac.jp/topic/ev-h27-10.html


■■「平成27年度産総研国際標準推進戦略/NEDO出口戦略シンポジウム」

日本を飛躍させる戦略的技術開発を目指して
〜知財活用と標準化の一体的推進〜
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が、企業や大学等が互いの強みを持ち寄り我が国の産業競争力を高めるための技術開発プロジェクトを企画・運営しており、各界の皆様と知財活用及び国際標準化に関する意識の共有を図る場として、「出口戦略シンポジウム」を下記のとおり開催します。
2回目となる今回は、産総研国際標準推進戦略シンポジウムと合同で開催し、知財活用と標準化に関する産総研及びNEDOのこれまでの取組みを紹介するとともに、先進気鋭の研究者や産業界の第一人者を交えて、今後の「知財活用と標準化の一体的推進」に係る戦略が議論されていきます。

開催要領
日時:平成27年12月16日(水)13時00分〜17時30分
会場:イイノホール/〒100-0011 東京都千代田区内幸町2-1-1
http://www.nedo.go.jp/events/CA_100053.html
プログラム
基調講演
「IoT時代の国際標準化と知財マネジメント=オープン&クローズの戦略思想が必須となる時代の到来=」
小川紘一 東京大学政策ビジョン研究センター シニアリサーチャー

「経産省『委託研究開発における知的財産マネジメントに関する運用ガイドライン』の策定について」
藤河正英 経済産業省産業技術政策課 成果普及・連携推進室長

「『新市場創造型標準化制度』の活用について」
斉藤和則 経済産業省基準認証ユニット 基準認証広報室長

「産総研が目指す知財活用と標準化の戦略」
内山隆史 産業技術総合研究所 イノベーション推進本部 知的財産・標準化推進部長


■■「第2回NEDOパワーエレクトロニクスシンポジウム」

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、さらなる高性能化や省エネルギー化を実現する「次世代パワーエレクトロニクス」に関するプロジェクトを推進しております。
本シンポジウムでは、パワーエレクトロニクス分野の国内外の著名なキーパーソンをお迎えし、それぞれの立場で本分野の現状を踏まえ、可能性や期待等についてご講演頂きます。これを機に、国内外の連携がさらに促進されることを期待しております。

開催要領
日時:平成28年1月8日(金)13時00分〜17時40分
会場:フクラシア品川クリスタルスクエアホールA(JR品川駅から徒歩8分)
プログラム:
・「新しい産業技術のための次世代パワーエレクトロニクス」
 鉄道総合技術研究所 会長 正田 英介
・「ISO/TC292活動紹介<ISO34000シリーズ S・FMSS規格>(国内空洞化防止策と実ビジネスへのインパクト検証)」
 日本規格協会 国際標準化ユニット国際支援グループ 伊賀 洋一


参加:事前申し込み、シンポジウム参加費は無料(定員に達した場合は参加受付を締め切る場合もございます)。
お問い合わせ:電話番号 044-520-5211
担当者:NEDO電子・材料・ナノテクノロジー部間瀬、杉山)
http://www.nedo.go.jp/events/EF_100052.html




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◆【連載!神田のカルチェラタン】

星の王子様とバオバブの木


 久し振りに映画を観てまいりました。『星の王子さま』? たまには良いでしょう。
物語に出てくる飛行士が70〜80歳ぐらいの設定でしょうから、王子さまと出会って40〜50年は経った設定です。主人公は少女、何故か、少女。そういえば、宮崎駿のアニメも少女。
この頃の少年は、お話にもならない位、元気が無いということでしょうか。
 他にも色々、考えさせられることがありました。
 今回は、若い女性との話のネタに窮することの多い御仁には、持って来いのネタになっていませんか。
 (編集長 馬田芳直)


nano2biz Magazine66号 カルチェラタン
〜星の王子様とバオバブの木〜

 

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代表) FAX:03-5280-5710

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