65号 2015/11/20(金)

メルマガ nano2biz 第65号をお届けします。

 反戦歌の様で反戦歌でもない、何が言いたいのかよく分からない歌ですが、「通販生活」のTV・CMで、杉田二郎さんが「戦争を知らない子供たち」を歌っています。
 第2次大戦から25年が経った頃、ベトナム戦争の頃に流行った歌だそうです。
 なぜ、今、この歌なのか、複雑な思いで聞いています。



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発行元:NBCI

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nanobiz News
◆技術開発動向
効率100%で電気を光に変換する有機EL材料の高性能化に成功

<概要>
 
京都大学化学研究所梶弘典教授らが九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センターと共同で、理論化学計算に基づいた有機分子の精密な設計により、励起子の挙動制御を可能とし、効率100%で電気を光に変換する有機エレクトロルミネッセンス材料(有機EL)を高性能化することに成功したと発表しました。
<今後の展開>
 研究グループでは「今後、長寿命化設計結果を実証したい。また、今回の一分子に対する設計を、多数の分子からなる多層薄膜系へと発展させ、有機EL素子の、さらなる設計指針を得ることを目指す」としています。

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2015/151019_1.html
http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2015/2015_10_20_1.pdf



正常血圧の約2.8倍に耐える生体親和性の接着剤を開発
〜現状の問題点を克服 手術時間の短縮や医療費削減に期待〜

<概要>
 物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 生体機能材料ユニットの田口哲志MANA研究者らが、血管の傷を塞ぐことができ、正常血圧の約2.8倍の耐圧強度を有する生体親和性接着剤を開発したと発表しました。
<今後の展開>
 本研究で開発された接着剤は、生体内の湿潤環境において組織に強固に接着することから、心臓血管外科を始め様々な外科・内科領域への展開が期待でき、筑波大学臨床医学系呼吸器外科との医工連携研究で臨床応用に向けた基礎データの蓄積が進められているとのことです。

http://www.nims.go.jp/news/press/2015/10/201510150.html


自在に変形できる液体材料を用い、可視光領域を幅広くカバーする白色発光光源を開発

<概要>
 早稲田大学理工学術院庄子習一教授(基幹理工学部電子物理システム学科)、早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構 水野潤研究院教授らの研究チームが、液体有機半導体を発光材料に用いたマイクロ流体白色有機EL(Electro Luminescence)デバイスの実現に成功したと発表しました。
<今後の展開>
 今後、本素子は、従来の固体有機半導体薄膜を用いた有機ELデバイスとは異なり、自在に形状が変形できる特徴を有する新しいディスプレイや照明への応用が期待されています。実用化に向けては駆動電圧の低減、固体有機ELに相当する輝度や寿命を確保すべく、未解明な点が数多くある液体半導体のメカニズム解明、及び最適なデバイス構造設計に取り組むとしています。
http://www.waseda.jp/top/news/33264


天然高分子のキトサンを素材とした柔軟で透明な断熱材を開発
〜微細繊維の均質な絡み合い構造により折り曲げ可能な柔軟性を実現〜

<概要>
 産業技術総合研究所化学プロセス研究部門階層的構造材料プロセスグループ 竹下 覚 研究員、依田 智 研究グループ長らは、天然高分子のキトサンを素材とした柔軟で透明な高性能断熱材を開発しました。
 この断熱材は、直径5〜10 nmの微細なキトサン繊維が三次元的に均一に絡み合った構造をしており、既存の透明断熱材であるシリカエアロゲルに近い透明性と断熱性に加えて、シリカエアロゲルにはない柔軟性をあわせ持っており、既存住宅の窓を高断熱化する断熱シートや、自動車の窓の断熱層などへの応用が期待されています。
<今後の展開>
 今後は、着色の解消に取り組み、透明性や柔軟性を一層向上させるとともに、窓用断熱材としての実用化を目指し、耐湿性・耐候性の評価と改善を行い、また、独特の絡み合い構造を活かして、防振・防音材料、分子吸着材料、各種複合機能材料への展開を検討するとのことです。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20151109/pr20151109.html


「機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センター」を設立
〜産業を牽引する新素材創出のスピードアップを目指して〜

<概要>
 産業技術総合研究所は「機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センター(CD-FMat)」を設立します。部素材のバリューチェーン強化を目指す材料・化学領域の3つ目の研究センターとなります。
 本研究センターでは、機能性部材・デバイスの相反する機能を解明する新たな計算手法の開拓だけでなく、計算手法に大規模化や粗視化の導入を行っていきます。これにより、ミクロからマクロにつながるマルチスケール計算材料設計手法を構築し、 『材料の機能、物性パラメータ』、『材料の化学構造』、および『材料の合成プロセス』の関係を決定するための技術開発を推進します。さらに、企業などが研究課題を持ち込んで集中研究を行うためのコア機能として、材料設計手法を開発し産業界への普及を図るとともに、大学・研究機関とも協力しつつ、開発した設計手法をより広く応用するオープンイノベーションハブを構築します。
<今後の展開>
 産業を牽引する新素材創出のスピードアップを目指すためには、材料機能を計算から直接的に評価するシミュレーション技術と、複合材料を取り扱えるようなマルチスケール技術を創出し、それらを融合することが重要になります。そのような計算材料設計(コンピュテーショナルデザイン)基盤技術の構築により、マテリアルズ・インフォマティクスの有効な適用対象を大幅に拡大することができると期待されます。
http://www.aist.go.jp/aist_j/news/pr20151101.html


細胞膜を越えるたんぱく質輸送の新たな機構を解明
〜通り道を塞ぐキャップを開閉して制御 細胞内における基本的な生命現象の理解へ〜

<概要>
 奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 塚崎 智也 准教授、田中 良樹 助教、菅野 泰功 博士課程大学院生、東京大学 大学院理学系研究科 濡木 理 教授を中心とした研究グループは、たんぱく質が生体膜を透過するための通り道となる膜たんぱく質複合体SecYEG(細菌型Secトランスロコン)の高い解像度(2.7Å分解能)の構造解析を世界で初めて達成しました。この構造情報に基づき研究を進めた結果、たんぱく質が透過していない状態(閉状態)のチャネル(透過孔)は、複合体を形成する膜たんぱく質(SecG)の一部によって「キャップ(蓋)」がされており、たんぱく質が透過する時(膜透過状態)に、その蓋が外れるという機構が存在することを初めて明らかにしました。
<今後の展開>
 この高分解能構造は、たんぱく質の膜透過という基本的な生命現象の解明において最も信頼できるSecトランスロコンの構造基盤となります。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20151113/index.html


ヒト培養細胞内でたんぱく質の大量合成に成功
〜環状mRNAを用いた終わりのない回転式たんぱく質合成反応を実現〜

<概要>
 名古屋大学 大学院理学研究科の阿部 洋 教授(理化学研究所 伊藤ナノ医工学研究室 客員主管研究員)、阿部 奈保子 博士研究員らは、ヒト培養細胞内で環状mRNAから終わりのないたんぱく質合成が起きることを見いだしました。
<今後の展開>
 本手法は、たんぱく質の大量生産法としての産業応用や、安全性の高いたんぱく質補充療法として医療応用されることが期待されています。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20151110/index.html


汎用性のあるセルロースの高強度ゲル形成プロセスの発見
〜脱石油由来の水処理用部材に適用へ〜

<概要>
 セルロースを石油や酸やアルカリを用いる化学処理を必要としない方法で加工し、高強度なセルロース材料として自由に様々な形態に成形できることを発見しました。
 この研究成果は、科学技術振興機構が推進するセンター・オブ・イノベーションプログラムの「世界の豊かな生活環境と地球規模の持続可能性に貢献するアクア・イノベーション拠点」の中核拠点として、「活気ある持続可能な社会を構築する」という将来ビジョンに向け、信州大学などが取り組む革新的な造水・水循環システムの構築を目指す研究の一環で得られた成果です。
 本研究の成果を総括すれば、再生可能資源であるセルロースをイオン性液体に溶解させ、段階的に溶媒を置き換えることによって、用途に合わせた形に成形できることが見出されたと言えます。得られた成形体は、生分解性を保ちつつ高い強度を持ち、温度やpHなどの変化によって物性が変わらないなど高いロバスト(頑強)性を示しました。
<今後の展開>
 加工したセルロース材料から、水と不純物を分離する中空糸膜の成形にも成功。石油由来の材料を使わず、ヒトや自然にやさしい水処理用部材の開発への応用が期待できます。
 さらに、成形に用いたイオン性液体はほぼ完全に回収・再利用が可能であり、クリーンかつ省エネルギーのセルロース成形プロセスの確立が期待でき、成形手法の高度化によって再生セルロース膜内のサブナノ孔構造制御も可能だとのことで。今後はナノ構造を制御したセルロース中空糸膜をモジュール化し、水処理プロセスへの応用について研究を進めていくとされています。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20151110-3/index.html


近未来の照明のかたち:「さっと一吹き、できあがり」

<概要>
 東北大学の磯部 寛之 教授の共同研究グループは、有機ELの新しい構築法を開拓する分子材料を開発しました。「さっと一吹き」するだけの短工程で、ほぼ理論限界となる高い発光効率を実現する有機ELができあがる「夢の多機能分子材料」の登場です。
<今後の展開>
 この成果は、これまでの発光ダイオードの構造・材料設計の常識を覆し、有機EL材料の新しい設計指針を見いだしたものとなります。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20151105/index.html


液体金属流から電気エネルギーを取り出せることを解明
〜電子の自転運動を利用した新しい発電へ〜

<概要>
 東北大学 大学院理学研究科の高橋 遼(大学院生、兼 日本原子力研究開発機構 先端基礎研究センター 実習生)、日本原子力研究開発機構 先端基礎研究センターの松尾 衛 副主任研究員、東北大学 原子分子材料科学高等研究機構/金属材料研究所の齊藤 英治 教授らは、液体金属中の電子の自転運動を利用した新しい発電法を発見しました。
<今後の展開>
 今回発見した新しい発電法は、従来の発電機のタービンのような構造物を一切必要としないので、発電装置の超小型化につながることが期待されます。将来は、わずかな電気で動作するナノサイズの超小型ロボットの電源技術や、流体速度計注に応用できると期待されます。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20151103-2/index.html


水素触媒機能を持つ半合成型鉄ヒドロゲナーゼ酵素の創出に成功

<概要>
 マックスプランク陸生微生物学研究所の嶋 盛吾 グループリーダーらは、大量合成が可能なたんぱく質中に化学的に合成した金属化合物を取り込むことで、温和な条件で水素ガスを生産または分解する半合成型鉄ヒドロゲナーゼ酵素の創出に成功しました。
<今後の展開>
 将来的に、鉄ヒドロゲナーゼ酵素の触媒機能を持つ生体触媒の大量生産につながることが期待できます。また、反応活性中心となる金属化合物を自由に設計・取り込むことが可能になり、より優れた酵素触媒の開発も可能になります。

http://www.jst.go.jp/pr/info/info1141/index.html


新しいシリコンナノ物質の化学特性の評価に成功
〜触媒や電子デバイスへの応用に期待〜

<概要>
 慶應義塾大学 理工学部の中嶋 敦 教授らは、本研究グループが開発した16個のシリコン原子が中心の金属原子を球状に取り囲む「金属内包シリコンナノクラスター」の、酸素との反応性や熱的安定性の評価に成功し、化学的安定性の高い物質であることを明らかにしました。
<今後の展開>
 本研究成果は、ナノクラスターを基本単位として新たな機能材料や超高集積光・電子デバイスを実現するための基盤技術として利用価値が高いと考えられ、触媒や電子デバイス、磁気デバイスなどに応用する、ナノ機能材料として期待されます。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20151102/index.html


高信頼性と高効率を両立するペロブスカイト太陽電池の開発に成功
〜1000時間の光連続照射テストをクリア 低コストな太陽電池の実用化に大きく前進〜

<概要>
 物質・材料研究機構太陽光発電材料ユニットの韓 礼元ユニット長をはじめとする研究グループは、ペロブスカイト太陽電池において、これまで電子抽出層とホール抽出層に用いられていた有機材料を無機材料に変更することで、セル面積1cm2以上で変換効率を16%に向上させると共に、実用化の目安とされる信頼性テスト(光強度1sunの太陽光で1000時間の連続照射)をクリアしました。
<今後の展開>
 今後は、この成果をベースに、太陽光をより多く利用できる高性能材料を開発すると共に、界面を制御することによって、より高い変換効率と信頼性を持つペロブスカイト太陽電池の開発を目指すとのことです。

http://www.nims.go.jp/news/press/2015/11/201511020.html


NEDO、注目技術分野の動向をまとめた「TSC Foresight」を公表
〜ナノカーボン材料分野などの最新技術動向や技術課題を明記〜

<概要>
  新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)技術戦略研究センター(Technology Strategy Center: TSC)は、「ナノカーボン材料分野」と「機能性材料分野」に関する最新技術の動向や技術課題をまとめた「TSC Foresight」をNEDOのWebサイトで公表したとのニュースリリースを行いました。
<今後の展開>
 TSCは両分野を含め10の注目技術分野について同様のレポートを作成しており、残る8分野についても、順次、公表していく予定とのことです。
 また、NEDOは、「TSC Foresight」の公表に併せて、その概要を紹介するとともに、技術の最新動向や技術開発の方向性について討議する「NEDO TSC Foresight セミナー」を順次、開催してくとのことです。

http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100472.html


◆イベント・セミナー等の紹介
■■「平成27年度産総研国際標準推進戦略/NEDO出口戦略シンポジウム」

日本を飛躍させる戦略的技術開発を目指して
〜知財活用と標準化の一体的推進


産業技術総合研究所と新エネルギー・産業技術総合開発機構が、企業や大学等、各界の皆様と知財活用及び国際標準化に関する意識の共有を図る場として、「出口戦略シンポジウム」を下記のとおり開催します。
先進気鋭の研究者や産業界の第一人者を交えて、今後の「知財活用と標準化の一体的推進」に係る戦略を議論していきます。

開催要領
日時:2015年12月16日(水)13時00分〜17時30分
会場:イイノホール
プログラム:
 基調講演「IoT時代の国際標準化と知財マネージメント=オープン&クローズの戦略思想が必須となる時代の到来=」
 小川紘一東京大学政策ビジョン研究センターシニアリサーチャーほか
詳細:http://www.nedo.go.jp/events/CA_100053.html
参加申し込み方法:https://www.aist-renkeisensya.jp/mailform.php?code=3
申し込み期限:12月7日(月)まで
定員・参加費:500名(先着順)・無料


■■
川崎市ナノ・マイクロ技術支援講座“ナノ茶論”の開催

先端技術の最新動向をテーマに、大学や研究者・技術者が気楽に雰囲気で意見を行う新川崎・創造のもりを拠点とした少人数制のサイエンスカフェです。
ナノ・マイクロ技術を活用したアプリケーションの開発や業界の最新動向など、各回様々な講師からの話題提供の後参加者全体でフリーディスカッションを行われています。

開催概要
日時:月1回(原則第3または第4木曜日)
時間:15:30〜17:00もしくは17:30〜19:00
場所:新川崎・創造のもり「NANOBIC」
参加費:500円/各回(資料代として)


▼今後の予定
  11月26日(木)15:30〜17:00
   「速く動かす、 振動を止める」
   桂誠一郎氏 慶応義塾大学理工学部准教授
  12月9日(水)15:30〜17:00
   「不可能を可能にするドライドローカーボンナノチューブと生活を豊かにする人工筋肉のご紹介」
   井上閑山氏 LINTEC OF AMERICA.Inc.
  http://www.hiia.or.jp/nasa/



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◆【連載!神田のカルチェラタン】

IoTとガラパゴス


 20世紀から21世紀を考えるのは、未だ夢がありました。鉄腕アトムやバックトゥザフューチャーなど、何となく楽しそうに思えました。
 21世紀になって、IoT、車の自動運転、空飛ぶ車が現実味を帯びてくると、そんな夢の世界が怖くなってきます。
 突然、ドローンではなくて、車が空から落ちてきたらどうされます。
 (編集長 馬田芳直)


nano2biz Magazine65号 カルチェラタン
〜IoTとガラパゴス〜

 

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代表) FAX:03-5280-5710

   http://www.nbci.jp