63号 2015/10/21(水)

メルマガ nano2biz 第63号をお届けします。

 次第に秋が深まってまいりました。

 花期の長い百日紅や木槿も消えて、何か、秋らしい色は無いかと探しておりましたら、ありました。枯れ始めた木に、色鮮やかな柿の実がしっかりと自己主張しておりました。

 何となく、柿の木には古民家が似合うとの勝手な思い込みから、そんな風景を求めてこの週末に、柿の木と古民家を求めて「ふるさと村」か「民家園」にでも出かけてみようかと考えています。




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発行元:NBCI

ナノテクノロジービジネス推進協議会


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nanobiz News

NBCIからのお知らせ
■■ナノカーボンWG設立に係るメンバー募集(NBCI)

 ナノテクノロジービジネス推進協議会(NBCI)では、ナノカーボンWGを本年12月に設立する計画です。
 本活動の概要をご確認いただき、ナノカーボンWGにご参加いただけるかどうかをご検討いただければと思います。

参加資格
 NBCI非会員の方も参加可能です。ナノカーボンの製造者及び使用者の方、
 関係者(計測評価等)の方も歓迎します。

申込先・内容に関するお問合せ先
 加藤 豊  一般社団法人 ナノテクノロジービジネス推進協議会(NBCI)
 TEL:03-3518-9818 e-mail: kato(a)nbci.jp

申込締切:11月13日(金)

▽詳細
 ナノカーボンWG設立に係るメンバー募集(NBCI)について


◆技術開発動向

小さな触媒格納庫
〜非晶質ニッケルナノ粒子の特異な触媒機能を初めて明らかに〜

<概要>
 大阪大学大学院基礎工学研究科の真島和志教授、産業技術総合研究所触媒化学融合研究センターの佐藤一彦研究センター長らの共同研究グループは、安価で入手容易なニッケルを用いて直径が最大
15nmの非晶質ナノ粒子を世界で初めて合成し、このニッケルナノ粒子を用いることで触媒的な炭素−炭素結合形成反応を達成しました。
<今後の展開>
 本研究によって、導電性高分子や医薬品などの部分骨格も安価に合成でき、身近な製品の大幅なコストダウンなど、実用的な展開が期待されます。また、本研究の合成手法を用いることで鉄、銅、コバルトなど、ニッケル以外の金属粒子も容易に形成できることから、金属ナノ粒子の代表的な応用法であるナノマシンや量子ドットといった次世代のマテリアルを実現する大きなきっかけとなることが期待されます。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20151005/pr20151005.html


相変化光メモリーの動作を超高速化するメカニズムを解明
〜相変化記録膜材料で結晶格子が一瞬変化する様子を観測〜

<概要>
 筑波大学数理物質系の長谷宗明准教授および産業技術総合研究所ナノエレクトロニクス研究部門の富永淳二首席研究員らのグループは、格子振動(フォノン)の振動振幅を約100fs(フェムト秒、1000兆分の1秒)の精度で光操作する技術を開発し、現在使用されている記録型DVDや次世代の不揮発性固体メモリーとして期待されている相変化メモリーの記録材料において、ほんの1ps(ピコ秒、1兆分の1秒)程度しか出現しない励起状態の観測に成功しました。
<今後の展開>
 今回観測された超高速相転移現象は、これまで考えられてきた熱的な転移過程ではなく、非熱的な転移過程であることを強く示唆しています。すなわち、相転移が熱伝導率に依存するのではなく、レーザーパルス対の時間間隔のみで制御できるという、全く新しい動作原理の超高速スイッチング相変化デバイスが可能になると期待されます。
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20150925_2/pr20150925_2.html


電気で生きる微生物を初めて特定
〜微生物が持つ微小電力の利用戦略〜

<概要>
 理化学研究所環境資源科学研究センターの中村 龍平チームリーダー、東京大学大学院工学系研究科の橋本 和仁教授らの共同研究チームが、電気エネルギーを直接利用して生きる微生物を初めて特定し、その代謝反応の検出に成功したと発表ました。
<今後の展開>
 本研究により二酸化炭素を固定化する微生物の代謝の多様性が明らかになり、微小な電力の利用という観点からも今後の研究に新たな知見が提供されたことになるとのことです。

http://www.riken.jp/pr/press/2015/20150925_1/
https://www.t.u-tokyo.ac.jp/epage/release/2015/20150925001.html


光るナノ粒子を使い、がんの性状を高精度診断する方法の開発
〜手術後のがん再発リスクを予測するがん組織診断へ向けて〜

<概要>
 東北大学大学院医学系研究科の権田 幸祐 教授、大内 憲明 教授の研究グループが、東京大学大学院理学系研究科の樋口 秀男 教授らと共同で、がんの転移活性化因子の量を高精度で検出する方法を開発したと発表しました。これは、がん組織に存在するがん転移活性化因子を光るナノ粒子(量子ドット)で標識し、この粒子を1粒子ずつ計測する技術により可能となったものです。
<今後の展開>
 研究グループでは本研究の成果は、PAR1抗体の再発予防治療薬(抗体医薬)への応用を期待させるとともに、がん患者の新たな予後予測診断法へ発展することが大いに期待されるとしています。
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2015/09/press20150918-01.html


X線自由電子レーザーの可干渉性を可視化
〜X線自由電子レーザーが光の位相が揃った理想的なレーザー光源であることを証明〜

<概要>
 東京大学大学院新領域創成科学研究科の井上伊知郎(大学院生)、雨宮慶幸教授、理研放射光科学総合研究センターの矢橋牧名グループディレクター、および高輝度光科学研究センター(JASRI)の登野健介チームリーダーらの研究チームが、X線自由電子レーザー(XFEL:X-ray Free Electron Laser)から出射されたレーザー光がどの程度干渉することが出来るかを評価する手法を考案し、理研とJASRIが共同で建設した日本で初めてのXFEL施設SACLA(SPring-8 Angstrom Compact free electron Laser)においてXFELが光の位相の揃った理想的なレーザー光源であることを実証したと発表しました。
<今後の展開>
 今後、本研究の可干渉性評価をX線光学素子の開発にフィードバックし、X線をより小さなスポットに集光することで、小さな試料であっても原子レベルで構造を決定できるようになることが期待されています。
http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/entry/22_entry422/
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2015/150923/


光で細胞内の酵素のはたらきを自在に操作する

<概要>
 東京大学 大学院理学系研究科 化学専攻の桂 嘉宏 大学院生と小澤 岳昌 教授らは、東京大学 大学院理学系研究科 生物科学専攻の黒田 真也 教授の研究グループとの共同研究により、新規に作製した人工の光感受性分子とシミュレーション解析を用いて、細胞内における酵素活性の時間的な変動パターンを定量的かつ可逆的に光操作する手法の開発に成功しました。また、開発した手法を用いて、酵素活性の時間的な変動パターンによって、細胞内で誘導される遺伝子発現の誘導強度が異なることを明らかにしました。
<今後の展開>
Aktが調節する代謝や遺伝子発現といった生命機能の異常は、糖尿病やガンをはじめとしたヒトのさまざまな疾患に密接に関与することが知られています。今後、さまざまな時間パターンのAkt活性入力とそれに伴う代謝物質や遺伝子発現などの細胞応答出力を定量的に解析することにより、Aktによる疾患発症のメカニズム解明や糖尿病患者に対するインスリンの最適な薬剤投与パターンの提案などに寄与することが期待されます。また、本研究で示した光感受性分子の設計や数理モデル構築などの一連の手法は、Akt以外の分子にも応用可能であるシステムとしての汎用性を備えており、オプトジェネティクス研究領域全体の発展に貢献することが期待できます。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20151001-3/index.html


NIMSとJEOLが「NIMS-JEOL計測技術研究センター」設立覚書に調印

<概要>
 物質・材料研究機構と日本電子株式会社は、2015年10月2日、「NIMS-JEOL計測技術研究センター」設立に関する覚書に調印しました。
 この研究センターは、材料研究に貢献する固体NMR(核磁気共鳴)の新しい計測技術を社会へ普及させることを目的とし、両者の最先端技術を駆使して世界トップクラスのNMR装置開発を目指します。
http://www.nims.go.jp/news/press/2015/10/201510080.html


GaN研究コンソーシアムの設立について
産学官の密接な連携による、世界をリードするGaN応用の省エネルギーイノベーション拠点の創設〜

<概要>
 名古屋大学、名古屋工業大学、名城大学、トヨタ学園 豊田工業大学、産業技術総合研究所、物質・材料研究機構が幹事機関となり「GaN研究コンソーシアム」を設立いたします。
 世界をリードしているGaNの研究ポテンシャルを核にして、産学官の密接な連携のもとにオープンイノベーションの拠点を名古屋地区に創設し、革新的な知の創出から、橋渡し、社会実装までの一貫したプロセスを産学官で共創することによるイノベーションエコシステムの確立を目指しており、今後、GaN研究コンソーシアムは、GaN応用に関する基礎研究から社会実装への展開を迅速に実施できるように、様々な業種・業界を対象に参画を広く呼び掛けて行くとのことです

http://www.nims.go.jp/news/press/2015/09/201509250.html


■嗅覚センサーの業界標準を目指す「
MSSアライアンス」発足
MSS技術実用化に向けた基礎的要素技術確立を目指して〜

<概要>
 
物質・材料研究機構、京セラ株式会社、国立大学法人 大阪大学、日本電気株式会社、住友精化株式会社、NanoWorld AGの6機関は共同で、超小型センサー素子「MSS (Membrane-type Surface stress Sensor/膜型表面応力センサー)」を用いたニオイ分析センサーシステムの実用化・普及を加速させるために業界標準(de facto standard)を目指す「MSS(エムエスエス)アライアンス」を発足しました。
 今後は、MSSアライアンスを通じて、要素技術を最適化し、信頼性の高い計測システムの確立と業界標準化を目指すとのことです。

http://www.nims.go.jp/news/press/2015/09/201509290.html




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◆【連載!神田のカルチェラタン】

一億総活躍社会とイノベーション


 「一億総活躍社会」とは、全国民が健康で働ける社会ということでしょうか。
介護、育児、病気療養等の問題を忘れて働くことができれば、労働を美徳と考える日本人にとって素晴らしいことだと思います。特にこれからの高齢化社会に向けて、適度な労働=運動が健康維持とボケ防止に役立ち、PPK(ピンピンコロリ)で天寿を全うされる方が増えることが期待されます。

 (編集長 馬田芳直)


nano2biz Magazine63号 カルチェラタン
〜一億総活躍社会とイノベーション〜

 

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