61号 2015/9/17(木)

メルマガ nano2biz 第61号をお届けします。

 新国立競技場、エンブレムの例を見るまでもなく、国民の公共事業に対する関心は高くなって来ています。

 国勢調査もインターネットで回答する時代になりました。来年(2016年)1月からマイナンバー制度(社会保障・税番号制度)も導入されます。個人情報管理の心配はありますが、手続き・手間が楽になるようで期待しています。
 インターネットの活用やマイナンバー制度の導入でどれだけ調査や管理等の費用が浮くのか、開示があれば国民はもっと前向きに対応してくれるのではないですか。

 因みに、国勢調査員の報酬は地域によって多少の差はあるようですが、調査対象50世帯で40,000円前後だそうです。



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発行元:NBCI

ナノテクノロジービジネス推進協議会


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nanobiz News
◆技術開発動向
人工的に設計したタンパク質による金属ナノ結晶の生成
〜バイオミネラリゼーションを利用したタンパク質の新素材〜

<概要>
 
理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センターのケム・ツァンチームリーダー、アルノウト・ヴット国際特別研究員と、横浜市立大学大学院生命医科学研究科のジェレミー・テイム教授らの共同研究グループが、金属と結合するピザ型タンパク質を設計し、規則正しく配列した7個のカドミウムイオンと12個の塩化物イオンから成る世界最小のナノ結晶を作ることに成功したと発表しました。
<今後の展開>
 今後、バイオミネラリゼーションのメカニズムの解明や、タンパク質をナノスケール部品として用いる医薬品やバイオセンサーなどの開発への応用が期待できるとのことです。
http://www.riken.jp/pr/press/2015/20150826_1/
http://www.yokohama-cu.ac.jp/univ/pr/press/150826.html


原子1個の厚みの二酸化チタンシートの作製に成功
〜グラフェン類似の極薄新材料の誕生〜

<概要>
 東北大学の原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の大澤健男助教(現 NIMS主任研究員)と一杉太郎准教授の研究グループが、AIMRの幾原雄一教授、王中長准教授らのグループとの共同研究により、電子デバイスや触媒材料などとして将来期待される「原子1個の厚み」の二酸化チタン(TiO2)シートの作製に成功したと発表しました。
<今後の展開>
 研究グループでは、作製されたTiO2シートは半導体的な性質を持つことから、ドーピングによって電気伝導性や磁性などの物性が制御されることを期待しています。更に、金属酸化物の成長過程の究明が、新たな機能をもつ界面の創出につながり、原子シートを活用した新たな応用や科学の発展に貢献することを期待しています。
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2015/08/press20150824-01.html
http://www.nims.go.jp/news/press/2015/08/201508250.html


グラフェンナノリボンへのホウ素原子のドープに成功
〜一酸化窒素などの超高感度ガスセンサー開発などに貢献〜

<概要>
 科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業において、スイス バーゼル大学物理学科の川井 茂樹 シニアサイエンティストと名古屋大学 物質科学国際研究センターの齊藤 尚平 助教、山口 茂弘 教授らが、新たに合成した前駆体分子を金属表面に蒸着し精密化学反応を行うことにより、世界で初めてホウ素(B)をドープしたグラフェンナノリボン(B−GNR)の生成に成功したと発表しました。
<今後の展開>
 今後、開発したB−GNR素子によるカーボン薄膜素子のバンドギャップエンジニアリングの発展や、超高感度ガスセンサーの実現が期待されています。

http://www.jst.go.jp/pr/info/info1124/index.html
https://www.unibas.ch/en/News-Events/News/Uni-Research/Succesful-Boron-Doping-of-Graphene-Nanoribbon.html


排熱を電気に変換して蓄えるコイン型電池セル
〜イオン二次電池活物質の新たな応用〜

<概要>
 筑波大学は大学数理物質系 小林航助教、守友浩教授らは、正極と負極に同一の層状酸化物を用いたコイン型電池セル(電池型サーモセル)は、温度差印加に伴い熱電変換効果(電気化学ゼーベック効果)を示すことを実証したと発表しました。
<今後の展開>
 このセルは、熱から変換された電気を化学エネルギーとして蓄積できるため、微小電力を必要とするセンサー等の電源として用いられる可能性があるといわれています。
 今後は電極、電解質、構造等の最適化を図り、熱起電力等の性能向上を目指すとのことです。
http://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p201508220200.html


透明多結晶体セラミックスに、結晶化ガラス法によりポッケルス効果の発現に成功
〜光を操るアクティブな光デバイスが安価かつ大量生産可能に〜

<概要>
 東北大学大学院工学研究科応用物理学専攻の高橋儀宏准教授、藤原巧教授らが、熱処理した酸化物ガラスから得られる多結晶体セラミックス(結晶化ガラス)において、印加電界に比例して光屈折率が変化する“ポッケルス効果”の発現に成功したと発表しました。
<今後の展開>
 研究グループは、結晶化ガラスが、ファイバーネットワークとの整合性の高い革新的なアクティブ光ファイバー型デバイスなどに応用が展開されることを期待しています。
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2015/08/press20150818-02.html


耐熱性に優れ、光をよく反射する断熱アルミナ膜を開発
〜真珠に似た積層構造によって光を反射〜

<概要>
 産業技術総合研究所化学プロセス研究部門膜分離プロセス研究グループ小平哲也主任研究員、水上富士夫客員研究員は、川研ファインケミカル株式会社と共同で、高い断熱性能と可視光〜近赤外領域にて光反射率70 %以上を併せ持つ銀色の高耐熱性アルミナ膜を開発しました。
<今後の予定>
 今後は、調製条件をさらに詳しく検討し、断熱性能の向上およびさらに広い波長領域にて高い光反射率を示す、より高性能なアルミナ膜の創製を目指すとのことです。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20150826/pr20150826.html


カーボンナノチューブ・ポリアミドのナノ複合膜による高性能、多機能性逆浸透(RO)膜の開発に成功
〜革新的な造水システムにより地球規模の持続可能性に貢献〜

<概要>
 信州大学アクア・イノベーション拠点では、非共有結合的に弱く表面修飾(改質)した多層カーボンナノチューブ(MWCNT)と芳香族ポリアミドとで、厚さ約100nmのナノ複合膜を独自の方法で調製し、逆浸透膜(RO膜)を界面重合によって生成しました。このRO膜活性層は、よく分散させたCNT(15.5重量%)とマトリックス(母材)のポリアミドの複合で構成されています。
<今後の展開>
 今後、本研究の成果を基に、産学連携により技術的検討を深め、応用諸技術を開発し、社会実装を目標としてプロジェクトを推進するとのことです。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150907-2/index.html


大容量の蓄電が可能な「リチウム空気電池」用電極材料の開発
〜ナノ多孔質グラフェンとルテニウム系触媒が鍵〜

<概要>
 東北大学 原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の陳 明偉教授らは、3次元構造を持つナノ多孔質グラフェンによる高性能なリチウム空気電池を開発しました。
リチウムイオン電池の6倍以上の電気容量を持ち、100回以上繰返し使用が可能な「リチウム空気電池」の開発に成功したとのことです。
<今後の展開>
 今後さらなる改善を行うことで、1回の充電で500km以上の走行が可能な電気自動車の実現など、実用的な電気容量と寿命への到達が期待されます。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150902-2/index.html


液体金属ナノ粒子のサイズを繰り返し変えられるプロセスを開発
〜光を操る新材料の開発に期待〜

<概要>
 東京工業大学の山口 章久特任助教と彌田 智一教授らは、液体金属であるガリウムナノ粒子のサイズを可逆的に変化させるプロセスを開発し、金属ナノ構造体が光と相互作用して、その光を吸収する「表面プラズモン共鳴吸収」を制御することに成功しました。
<今後の展開>
 この研究成果により、用途に応じて自由に物性を制御できるプラズモニック材料の開発が期待されます。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150902/index.html


藻類のもつ微結晶が光を有効利用する原理解明にせまる
〜磁場で微結晶の向きを揃える新技術で光反射特性を明らかに〜

<概要>
 広島大学 ナノデバイス・バイオ融合科学研究所の岩坂 正和教授、国立大学法人 筑波大学 生命環境系の白岩 善博教授らの研究グループは、藻類の細胞外被・外殻結晶の向きを磁場で遠隔操作する手法を開発し、円石藻のつくる炭酸カルシウムの円盤状の微結晶(円石、ココリス)が光を効率的に反射する方向を特定させることに成功しました。
<今後の展開>
 この微結晶の光学特性と植物生理学的意義の関係が解明できれば、藻類バイオエネルギー生産の効率化につながる可能性もあります。さらには、これら微結晶をマイクロ光学材料としてバイオセンサー等へ活用できる可能性もあるとのことです。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150901/index.html


注目物質“グラフェン”における電子の分配を世界で初観測!
〜電子の波動性を利用した電子干渉デバイスの実現〜

<概要>
 大阪大学大学院理学研究科小林研介教授と東京大学大学院工学系研究科松尾貞茂助教は、小野輝男(京都大学化学研究所教授)および塚越一仁(物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点主任研究者)らの研究グループとの共同研究により、金属と半導体の両方の性質を持つグラフェン中に形成されたpn接合での量子ホール状態における電流ゆらぎを精密に研究し、pn接合によって電子が接合の左右に分配される様子を、電流ゆらぎとして初めて観測することに成功しました。また、pn接合がない際には、異なる量子ホール状態の接合があった場合でも電子が分配されないことも同時に明らかにしました。
<今後の展開>
 今後、本成果が、グラフェンの持つ様々な電子の自由度(スピン自由度やバレー自由度)に依存したユニークなpn接合での量子ホール状態の電子分配機構の解明、pn接合を用いたグラフェン量子ホール状態の電子干渉素子の実現などに役立つことが期待されます。

http://www.nims.go.jp/news/press/2015/09/201509040.html


◆イベント・セミナー等の紹介
■■「第15回NIMSフォーラム 10月7日 開催のご案内」

〜『超』のつく材料と技術 もってます〜
 NIMSではマテリアルズ・インフォマティクスの最新事情をお伝えする講演やNIMSとの連携をご検討頂くための研究者との個別相談会(事前予約制、9/25締切)など皆様のご期待に沿えるよう様々な企画を用意してお待ちしているとのことです。
お申込はこちらへ⇒ 
https://www.d-wks.net/nims151007/form/

開催要領
  日時:2015年10月7日(水)10:00〜17:30
  場所:東京国際フォーラム・ホールB7
  開催概要http://www.t-i-forum.co.jp/user/facilities/b7/

プログラム等詳細:http://www.nims.go.jp/nimsforum/
特別講演
・George L. Maffeo氏、ボーイング・ジャパン社長
  「Making Commercial Airplanes...with Japan−日本とともに、民間航空機をつくる」
基調講演およびパネルディスカッション
・細野 秀雄 氏、東京工業大学 応用セラミックス研究所&元素戦略研究センター 教授
  「開拓型研究による新材料開発」
・岡田 真人 氏、東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
  「マテリアルズ・インフォマティックスとは何か−物質材料科学とデータ駆動科学−」
・真鍋 明、NIMS 情報統合型物質・材料研究拠点 NIMS特別研究員(元・トヨタ自動車株式会社)
  「出口側からみるMI2 期待と課題」
パネルディスカッション「マテリアルズ・インフォマティクスがもたらす材料開発の新フェーズ」


■■JST、研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)

〜平成27年度ステージI新タイプの課題公募〜
科学技術振興機構(JST)は平成27年度ステージI(戦略テーマ重点タイプ、産業ニーズ対応タイプ)の公募を開始しています。
公募要領
・公募期間:平成27年8月26日(水)〜10月14日(水)正午
・公募研究領域タイプ テーマ:
@戦略テーマ重点タイプ IoT、ウェアラブル・デバイスのための環境発電の実現化技術の創成
Aナノレベルの空間分解能と識別感度を持つイオンセンサの実現に向けた技術開発
B産業ニーズ対応タイプ コンパクト中性子源とその産業応用に向けた基盤技術の構築
http://www.jst.go.jp/a-step/koubo/index.html


■■NEDOの公募事業

「ナノテクノロジー・材料技術分野の技術ロードマップ2016の策定に関する調査」
平成27年度・事業概要
 本事業では、ナノテクノロジー・材料技術分野の国内外の政策や技術開発の進展等最新の情報を把握すると共に、10年〜15年後の将来に予測される社会や、日本のナノテクノロジー・材料産業の状況を想定したうえで、今後日本として取り組むべき技術について検討を行い、解決すべき課題を時間軸に落とし込んだロードマップを策定します。
説明会
日時:平成27年9月18日(金)15時30分〜16時30分 
※ 出席希望の企業等は、担当 東村、遠藤へFAX(044-520-5212)申し込み下さい。
http://www.nedo.go.jp/koubo/EF2_100092.html


■■NEDO調査事業「パワーエレクトロニクスの産業分野への適用ロードマップ等に関する検討」に係る公募(予告)

事業内容
 NEDOでは、平成27年度に我が国がパワーエレクトロニクス産業をリードしていくために必要な戦略を明らかにするために、パワーエレクトロニクス応用の重要分野のひとつである産業分野への展開に関するロードマップ等に関する検討を行います。
公募期間
平成27年9月中旬〜10月上旬(最終日正午まで)の予定です。
http://www.nedo.go.jp/koubo/EF1_100091.html


■■NEDO平成27年度「低炭素社会を実現するナノ炭素材料実用化プロジェクト(助成事業)」に係る二次公募

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、上記事業の実施者を一般に広く募集すると発表しています。
研究開発項目:「ナノ炭素材料の実用化技術開発」
公募期間:平成27年8月28日〜平成27年10月2日
http://www.nedo.go.jp/koubo/EF2_100086.html



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◆【連載!神田のカルチェラタン】

日本人は何故、貯蓄が好きなのか


 円安になっても輸出が期待ほどに伸びない現状から、日本経済の活性化に内需拡大の必要性を再認識させられています。
 前号でも高齢者、取り分け団塊の世代に消費拡大を呼びかけましたが、貯蓄を取り崩してまで消費していただくにはそれなりの仕掛けが要るということで、たまたま読んでいた本に面白い提案がありましたので紹介させていただきます。
 手抜きのコラムですが、今、流行りのパクリではありません。引用です。
 (編集長 馬田芳直)


nano2biz Magazine61号 カルチェラタン
〜日本人は何故、貯蓄が好きなのか〜

 

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代表) FAX:03-5280-5710

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