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ナノカーボンFAQ

作成 2017.2.8

フラーレンとは

■回答

最も代表的なフラーレンであるC60 は、1985年11月14日のNatureに「C60 :Buckminsterfullerene」1)のタイトルで掲載された英国サックス大学のクロトー教授と米国ライス大学のスモーリー教授の論文により、その存在が明確に明らかにされた炭素の同素体です。2) 1985年のクロトー(Harold Kroto)、 スモーリー(Richard Smalley)、カール(Robert Curl)の三氏のフラーレンの発見に対して1996年にノーベル化学賞が与えられました。

フラーレンの分子構造は、sp2混成炭素原子の五角形と六角形の組み合わせから成る閉じたネットワークが基本となっており、C60がサッカーボール、C70がラグビーボールにそっくりな新規の球状分子であり、特異な結晶構造が注目されました。
sp2炭素原子から成る六員環をつなぎ合わせたネットワークはグラファイトですが、平面板状構造であることは知られています。平面構造に五角形を十二個だけ入れると凸に曲がりながら閉じて隙間のない立体の多面体構造をつくります。C60はこのようにして得られる五・六面体の一つです。3)
なお、フラーレンのCAS番号は分子量により異なり、C60は99685-96-8、C70は115383-22-7です。

フラーレン図を以下に示します。

名古屋大学 齋藤弥八教授(http://www.surf.nuqe.nagoya-u.ac.jp)よりご提供いただきました。


■出典等

1) H.W.Kroto,J.R.Heath,S.C.O’Brein,R.F.Curl,and R.H.Smally,Nature,318.162(1985)

2)C60 ・フラーレンの化学 化学同人

3)季刊 化学総説 No43, 1999 炭素第3の同素体 フラーレンの化学
 日本化学会編 学会出版センター出版